甘熙故居

南京市秦淮区にある甘熙故居は清の嘉慶年間に建てられ、通称「九十九間半」と呼ばれ、明孝陵、明城壁と並ぶ南京の明清三大景観の一つである。南京で面積の最も大きく、最も保存状態の良い民家である。

甘熙故居は「九十九間半」と呼ばれているが、99.5室以上の部屋がある。なぜかと言うと当時の王室の規定により、私邸は百部屋を超えてはならず、所有者の甘熙は朝廷の役人であり、規定をよく知っていたため、「九十九間半」と公言したのだそうだ。徽派建築の簡素さと優雅さ、蘇式建築の繊細さに比べ、甘熙故居はきちんとしていて立派であり、金陵の貴族階層の文化的嗜好と倫理観が反映されている。

一歩足を踏み入れると、白い壁、緑の瓦、曲がりくねった小道が目に入り、心は次第に安らいでいく。この邸宅には「金陵第一の蔵書楼」と呼ばれる「津逮楼」があるだけでなく、昆曲の研究の集散地でもある。また、南京民俗博物館としても有名であり、どの邸宅でも南京の民俗文化と無形文化遺産を展示している。南京の古い民俗を再現するために、20人以上の玄人職人が甘熙故居に移り住み、数百年の文化のエッセンスを伝えていく。

写真提供:甘氏春秋、親愛的小張同学

週末に甘熙故居を訪れよう。繁華街で時の流れを感じながら、甘熙故居にまつわる伝説を読み解こう。