詩情豊かな春日の鎮江

鎮江の歴史は資料によると3000年以上前まで遡る事ができ、長い歴史と深い文化が蓄積された都市ある。また鎮江は、書道でも有名な都市で、沢山の著名書家の碑刻や書家の大家である米芾を記念して作られた書道公園、そして米芾が「都市山林」と呼んだ南山等、鎮江の歴史は書道歴史といっても過言ではない程に書道と密接に関係した文化を持っている。

焦山の碑刻

焦山は「鎮江三名山」の一つで、古朴で優雅な姿を持ち、長江で唯一周りを水面に囲まれ、かつ観光で訪れる事の出来る島嶼である。山自体の大きさは他の名山に比べると地味であるが、この山の最大の特徴は碑林と呼ばれるほど碑刻が沢山現存している点である。多くが崖碑文という形で残されており、焦山西側の崖には多くの名人達が碑刻を残しており、中国古代からの書道、芸術、歴史資料等、その内容は様々な要素を多く含んでいる。その為、焦山は「書道の山」とも呼ばれる事があり、その中でも最も名高いのが「碑中の王」と言われる『瘗鶴銘』である。これは一人の隠者が死んでしまった鶴を思い残した文章で、左から右へ書かた筆は雄建で、歴代の書家達に深い影響を与えた。

古刹の梵音、沢山の古碑、古木は青々と茂り、焦山は春に色に染められ、水面の中できらきらと輝く。フェリーに乗り焦山に足を踏み入れれば、寺院の楼閣が緑の山林に映える、独特の景色があなたを待っている。

米点山水・米芾書道公園

米芾は北宋時代の書画家で、自由で思いのままな筆使いで霧雨や木などを書く表現方法の山水画と開祖として「米点山水」派を作った。彼は書道界にも造詣深く、様々な書体を使いこなした。米芾は鎮江の丹徒で40年余り暮らし、書画の研究通じて芸術の最高峰に達し、黄鶴山にて永眠についた。この鎮江と深い歴史的な関係を持つ巨匠を記念し、米芾書道公園が作られた。

米芾書道公園は中国で唯一書家の名前が付けられた文化テーマパークで、十里長山等の自然の景観を利用して作られている。 ここでは米芾の書道を鑑賞すると同時に、時空を越え対話しながら彼の芸術と通じていく事が出来ます。書道公園の目玉は「一廊九館」と呼ばれる、墨細工を使った回廊で、全長680メートルの曲がりくねった形になっており、米芾の作品が沢山展示されている。長廊は9つの展示エリアに別れ、1300余りの宋拓米帖、明拓米南宮帖及び新刻丹徒米帖が陳列されている。2009年には丹徒区と故宮博物院が共同で「米芾書道全集」を出版、故宮博物院より提供された米芾の墨跡資料に基づいて、原本のサイズの「新彫丹徒米帖」64作品が復刻された。

心地よい春風が吹く4月、名家の書画を鑑賞ながら、素晴らしい文化体験をしながら、春景色あふれる公園で心地よいひと時を過ごしてみよう。

山林の街:南山

鎮江市街から南に歩けば、山に囲まれた青々しい緑あふれる南山がある。 東屋や楼閣、そして竹林と泉、静かな風景が広がる。多くの文化人がこの秘境を愛し、北宋の大書画家の米芾、米友仁の親子も四十年間この場所で生活をした。景区入り口にある「城市山林」四文字は米芾の真跡で、そして彼はこの場所を「霧雨南山画集」と呼び愛した。また、蘇軾など多くの文人名家も南山を訪れ、ここに住み着いたり、観光を楽しんだりしながら、この場所に古跡や名作を残していった。現在でも「竹林聴泉」や「招隠聴鹂」などの傑作の中にある古き南山の風景を見る事が出来る。

現在の南山は招隠区、竹林景区、黄鶴山景区、九華山景区、そして広大な原始林と果実園、茶園などが広がり、沢山の樹木と360種類以上の花、80種以上の鳥類等の豊かな自然があり、お茶を楽しんだり、泉に咲く花を鑑賞したり、果物狩り、洞窟探検、バードウォッチングなど様々な楽しみがあなたを待っています。