花火三月揚州

千年来、沢山の文人墨客が揚州の山や湖景に魅了され、数え切れない賞賛をお越し、揚州を詩が染み込んだ都市に作り上げた。痩西湖の清い美しさ、大明寺の悠遠な禅、また大運河の壮大さは、文人達の詩を通じて人々に新しい魅力を教えている。

痩西湖景区

痩西湖の神韻は「痩」の字にあり、痩西湖の幅が変化する事や、生き生きとした様が、まるで美しい淑女のようで、繊細でしなやかさの中に恥じらいを持っているようだと言われている。

痩西湖は単なる湖ではなく、千年の歴史を持つ文化都市の揚州を完璧に具現化した存在であり、自然、湖、人文建築を融合した完璧な存在として捉えられている。

何世代にもわたり熟練職人たちが、一本の木や草、瓦の一枚まで詳細に拘り入念な仕上げをしてきた事で、現在の優雅で美しい姿となった。

春の痩西湖は四季の中で最も穏やかな表情を見せ、南門から入り歩道を通り、煌めく波光の中、徐園、五亭橋、熙春台、二十四橋、洛春堂、簪花亭などの亭台楼閣が桃の花と柳の緑の中に巧みに配置されており、歩きながら見る角度を変えていくことで、違った美しさを見せ飽きることが無い。

揚州大明寺

痩西湖の北門から北へ五分ほど歩くと揚州大明寺に着く。揚州大明寺は蜀岡中峰にある仏教廟宇で文化古跡でもある。園林と建物が一体化した景観は、「淮東一番」「揚州位一の名所」と言われている。

揚州大明寺には清時代に植えられた一株の瓊花があり、300年以上の樹齢を持ち、現在でも毎年春になると旺盛に大きな花を咲かせ、蝶のような姿の花が、温かい春風の中、ゆらゆらと風にそよぎ、絶景を作り出す。

鑑真大師はかつて大明寺の住職で、後に伝道師として日中両国の文化交流に突出した大きな貢献をした。1973年中国の著名建築家である梁思成氏が中国唐代の寺院建築として大明寺を参考にし、また大明寺内部に鑑真記念堂を建造した。記念堂には鑑真大師の楠木坐像があり壁には大師の渡海様子を表した布画や、西安大雁塔、肇慶七星岩、日本九州秋妻秋屋浦、奈良唐昭提寺金堂の四つのシーンが展示されており、鑑真大師の生活や経歴を見る事が出来る。

大明寺にある平山堂も見逃せない場所で、静寂に包まれた堂前には古藤が蔦を複雑に絡み合わせ、立派な芭蕉、大広間の入り口の屋根には「平山堂」と大きな三文字の標札がある。平山堂の美しい竹林の間には文人の遺物が至るところにあり、忘れがたい思い出を作ってくれるだろう。

揚州運河三湾風景区:中国大運河、桜、バードウォッチング

北には痩西湖、南には古三湾。古三湾とは中国大運河の揚州三湾段の事で、現在は揚州運河三湾風景区となっている。ここでは三湾運河が蛇行しながら流れ、2つの大橋が両岸に架かり、広大な野生湿地帯が横たわっており、揚州の文化的な優美さに自然の美を付け加えている。

春の三湾風景区では、一年の中でもっとも生力活力あるれる季節で、桜の海をゆったりと散歩しながら、春風吹く湿地帯と森林が調和した生態系をじっくり体験できる。森林ちかくにはバードウォッチング小屋があり、保護区の中で飛び交う貴重な鳥を眺めることができる。運河と揚州文化が完全に結合した絶景の中、遠くには雄大な津山があり、三湾を俯瞰する風景はまさに自然が作り上げた素晴らしい絶景を心ゆくまで楽しむ事が出来る。