南京の夏はアヒルを食べるべし

夏の南京には楽しい事が盛りだくさん。夕方は「六朝古都」の街で心地よい夕風に吹かれながらザリガニ料理を賞味し、古城の壁や秦淮河の夜景を観賞したあと、夜食に半羽の塩水鴨(あひるの蒸し煮)をホテルまでテイクアウトして夜景を眺めながら、塩水鴨をつまみながらのビールは最高。

南京は「アヒルの都」とも呼ばれ、あひるを作る&食べる歴史が長く、千四百年前の南北朝時代から南京人があひる料理を食べている記載がある。数多くある料理の中で最も有名なのは「塩水鴨(あひるの蒸し煮)」で、今では南京の代表的な料理となり、中国全土、国際的な名物ともなっている。南京へ遊びに来た際は塩水鴨のお土産が人気で、地元の人々の間でも贈り物として友達や親戚に塩水鴨を贈くる事がある。

「南京で長江を渡れたアヒルはいない」

南京では「無鴨不成席(アヒルがなければ宴会にならない)」ということわざがあり、塩水鴨が多くの人に愛されるようになったのは、一品料理なので、お金持ちもそうで無い人も楽しめる料理だからだ。

南京周辺の郊外で飼育された痩せ型「麻鴨(最も一般的な種類)」を選び、3時間の塩漬け、3時間の醤油煮付け、低温で36時間干し後に、再度低温で24時間ねかせ、黄酒(紹興酒)や香辛料が入った卤水(だし汁とタレ中間くらいの調味料)の中で煮込む。完成した物がデリカテッセンやレストラン、スーパーで商品として販売されている。

塩水鴨は濃厚な味付けで冷えたビールと合わせれば夏にぴったりの一品だ。一口食べると、肉汁が溢れ肉はとろけるような食感だ。最初の一口は丁度良い味わいで、噛んでいるうちに、香辛料の複雑な後味が出てくる。地元の人は塩水鴨を食べる時に、特別な習慣がある。それは、アヒルの肉を食べるのではなく、アヒルの骨を噛み砕き、中の汁を味わう事だ。アヒルの頭はお酒と良く合う料理だ。

南京の街のデリカテッセンで塩水鴨を購入する際のコツは、行列が長い店を選ぶ事。行列が長いほど人気がある証拠。

南京のアヒルグルメ

南京の人はアヒルを食べる際、肉はあまり食べずに、鴨頭(頭)、鴨翅(手羽肉)、鴨胗(胃)、鴨肝(レバー)、鴨脖子(首肉)、鴨腸(ホルモン)、鴨腿(モモ肉)、鴨爪(アヒルの爪)、鴨血(アヒルの血)などを料理にして食べる。

美人肝

「美人肝」はアヒルのすい臓部分であり、胸の肉と合わせて細切りし、アヒルの油を入れ炒めた、この料理は民国時代、有力者の間でとても人気な名物料理だった。現在では南京の老舗レストラン「馬祥興」でこの料理を食べる事ができる。

鸭血粉丝汤(アヒルの血と春雨スープ)

アヒルの血と春雨スープは、あひるを煮込んだスープに、春雨、アヒルの血、ホルモン、レバー、胃を入れた名物グルメで、南京どこでも気軽に食べれる料理だ。

アヒルの油ゴマパン

アヒルの油ゴマパンはアヒルの油と発酵させた塩味の小麦粉を平らに焼き,表面にはゴマがまぶした当地グルメ。焼きたてはカリカリで香りも良く、その美味しさはこだわり一品料理に負けていない。おすすめは「奇芳閣」の燒餅だ。