絵の具を散りばめた初冬の常州

初冬は曖昧な季節だ、純粋な真冬や秋の絢爛さとは違い、一本の筆のように秋のキャンバスに様々な絵の具を塗っていく。

翠緑・南山竹海

南山竹海は竹文化と寿文化がコンセプトの景区で、自然豊かなで山間には水が満ち、鳥たち飛び交うこの場所は“天国南山、夢幻竹海”と言われている。 気温が下がり、冬に入る頃、竹林は少し黄色く染まるが、翠緑の風采はまだ残る。

2つの山の間には、一枚の鏡が埋め込まれたような澄んだ湖があり、南山竹海の“静湖翠影”と言われ、竹筏に乗って湖面に漕ぎ出し、湖面に産まれる美しい水紋に囲まれ、竹林からの爽やかな微風が頬を撫でる。

南山竹海には2つの観光ルートがあり、一つは寿星広場から乗れる地上ケーブルカーで、生茂った竹林を抜けて歴史文化区まで移動でき、俗世を離れ桃源踏みこんだような感覚を味わえる。明王朝時代の建物と清時代の祠堂の白壁と灰瓦が現れる、もし運が良ければ伝統的な獅子舞の舞踊を見ることも出来る。 もう一つは竹林沿いの道を下っていくルートで、竹文化園では竹に関する中国文化伝承を見ることが出来、目玉は南山竹海で暮らすパンダの日常生活が見れることである。

再び寿星広場にもどって、南山竹海クラシックルートのケーブルカーに乗れば、目の前に竹海の全景が徐々に現れ、赤黄のケーブルカーのゴンドラが翠竹背景に彩りを加えている。

金黄・紅梅公園

紅梅公園は常州地区最大の総合型公園で、園内には沢山の古跡やパビリオン、水と木と花が調和した内容になっている。 公園の名前の由来は園内にある千年以上の歴史を持つ紅梅閣で、古朴で落ち着いたこの建物は、自然豊かな公園内にあっても違和感無く自然の一部のように建っている。 紅梅閣は長い歴史を経て現在も同じ姿を保っているが、季節によって周りの風景に合わせて様々な顔を見せる。

霜が降り、銀杏の木は栄養補給を止め、徐々に葉色を変え始め、落葉が始まる。 見慣れた風景ではあるが、素晴らしい自然の奇跡である事を忘れてはならない。木々は冬になると自分で休養を始め、そのつかの間に私達に美しい姿を与えてくれる。毎年秋冬の頃、紅梅閣の後ろには銀杏の木が輝きを放ちだす。風が吹くと銀杏の葉が風に舞い、地面に黄金の絨毯を敷き詰め、輝くシーンを作り出す。

火紅・翠竹公園

翠竹公園は常州市天寧区ある開放型の公園で広大な水域を活用し設計された公園で、非常に珍しい都市湿地生態景観を持っている。沢山の水生生物が根付いており、常州に江南水郷風のテイストを与えている。

公園のメインは竹であるが、季節によって沼杉が主役になる。沼杉は水と相性が良く、根は公園内の池中に伸び、幹は高く葉が羽毛のような形で美しい。秋冬になると、葉は徐々に緑から赤に変わり、水面には様々な色彩が美しく映りだす様は、冬日の優しい陽光の中、とてもロマンチックな光景を作り出す。樹間に時折現れるリスや鳥が風景に油絵のように濃厚な色彩を付け加える。

沼杉のベストな鑑賞時期は11月~12月の間で、この時期は翠竹公園内を散歩しながら、水辺まで足を伸ばし絵巻物のような素晴らしい光景を鑑賞し、公園内にある茶室で一休みし、常州のゆったりとした雰囲気を感じてみよう。

寒風が吹き始めた頃、霧は次第に南山竹海に登り、大雪が降る深冬を迎える。公園内のスタッフは来訪者の為に2週間もの間、銀杏の葉の黄金の絨毯を用意し、沼杉は静かに水辺に建ち、来年の春を待つ。常州の短い初冬に産まれる美しい風景は、まさに絶景である。