雪中絵巻,黛青煉瓦の山塘街

山塘街は江蘇省蘇州の西北に位置し、はるか昔から今に至るまで山塘街は皇帝貴族、文化人から愛されてきた。乾隆康煕や伯虎、秋香が山塘河の両岸で連日遊び廻っていた。雪中の山塘は、江南の趣を強くし静謐。

七里山塘街

山塘街は河に添って建てられ、東の阊胥路の北首渡僧橋まで、西から虎丘西南麓の西山廟橋に及ぶエリアで、全長約7華里(約3.5キロメートル)であったので、「七里山塘」と呼ばれる事になった。

蘇州は晴天より雨天の方が美しくなり、雪天は更に美しさを増す。

落雪した山塘街は、古い蘇州の顔が現れる。蘇州评弾の音、長い青石畳の歩道、道の両側には食べ物屋や屋台が良い香りを漂わせ。偶然通った刺繍店には千年前から伝承されてきた刺繍娘の佳作が飾られている。古い劇台の前では様々な人が行き交い、人生は芝居で芝居は人生である事を教えてくれる。

黛青煉瓦の板石の道、雪がシンシンと降る山塘街で、油紙傘さし、古い石橋の上を歩いて、橋の上から素晴らしい風景に目が行く、あなたは風景を眺めながら、橋に立つ人として自分自身が他人の美しい風景となる。

山塘の画舫遊覧

古い時代に蘇州では水利の為に、西の虎丘から東の阊門まで河を掘り山塘河と呼ばれるようになり現在の山塘街の名の元になっている。

古人は山塘を遊覧する時、非常に精緻に造られた美しい遊覧船乗り、お酒やお茶を楽しんだ。船娘が演奏する江南の糸竹の音が流れ、目の前には岸辺の水郷古民家が流れるように過ぎていく。

今でも当時ような画舫に乗って、山塘を遊覧することができる。遊覧船では旅の疲れや世間の悩みを忘れて、船娘の柔らかい歌声に耳を傾け、ゆっくりと山塘川を渡れば、この水と文化が融合した蘇州の特別な雪景となる。

山塘河と穏やかな山塘街のに降る静かな雪は、油紙傘や人々の心にまで降り落ちる。雪景色は出会いであり、求めて得られるものではない。

山塘昆曲館

昆曲は蘇州昆山地区で生まれた、漢族の伝統戯曲の最も古いもので、中国漢族伝統文化芸術の戯曲の中でも非常に重要ものとなっている。明朝時代に昆曲は中国全土に広がり王や貴族、文化人から庶民まで昆曲に夢中になった。人々は「牡丹亭」には愛情の美しさを見つけ、「長生殿」の歌詞で現実の残酷を味わい、「桃花扇」の中で出会いと離別に涙した。

山塘昆曲館は蘇州にある唯一の全天候型昆曲劇場で、館内は明清風のインテリアで、公演、排曲、練功、教学などの昆曲のすべてが展示されている。

寒い雪日に、温かいお茶を飲みながら、昆曲の節回しの美しさい600年以上の時間を越えた細やかな唄音。二階の窓からは、小橋流水の江南風景が一望できる。

蘇州の静かな冬、山塘の雪夜は柔らかく美しい。濃厚な色がある夏ではなく、果実が鈴なりに実る秋ではなく、蘇州の冬は、人々に懐古の思いを作り出す、水墨色の江南絵巻となる。ここは蘇州、山塘。