冬の香り放つ秀麗な古都—揚州

揚州の風光明媚は、昔から多くの文人墨客を惹きつけ、沢山の揚州を称賛する詩が残されてきた。冬、純白の雪が舞い、澄み渡った空気に淡い梅の香りが漂う。 これが揚州冬日の匂いである。

痩西湖梅花香

揚州の梅は遥か昔から文人達に讃えられてきた。当地では臘梅の花期が12月から翌年1月、梅の満開期は1月から2月までとなっている。臘梅と梅は花期が近く、同じの香りを持ち、上品な花を咲かせ、人々からずっと愛されてきた。

深冬、痩西湖の臘梅が香りを漂わせ始めると、 “双梅同賞”の時期を迎える。痩西湖の臘梅と梅は徐園と万花園の2箇所に分布、特に徐園の裏側には沢山の臘梅の木があり、その中の一株はとても背丈が高く、毎年に多くの蕾を結び、臘梅の中でひときわ目立つ存在になっている。

また、古い臘梅も何本があり、素晴らしい枝ぶりがとても美しい。臘梅の花期が終わる頃、万花園の近くにある静香書屋、玉版橋の近くで千株の春梅が花期を迎える。咲き誇る花が、構造的な自然景観と一種の原生態の自然美を作り出す。

また、万花園では舟に乗り、水上からの梅鑑賞をすることも出来る。一艘の小舟を借り、友達を誘い岸上の梅を観賞するという、非常に風流な花見が出来る。

双梅展の間、痩西湖では揚州の芸術家による梅の書絵展が開催される。様々な梅に関する作品が集められ、観光客は “芸術の花見”が体験出来る。

馥園粉おしろい

馥園は揚州の古街「東関街」に位置し、揚州の老舗香粉「謝馥春」の跡地に建てられた。謝馥春は中国初の化粧品会社で、歴史は清道光十年(1830年)にさかのぼる。馥園は大きくなく、観光客も少なく、庭園と青瓦建築が融合し、揚州の古典建築様式となっている。その中の「粉黛楼」では、「揚州十二粉黛」(十二個美人の臘像)が展示陳列されている。

「謝馥春館」には、「香水、おしろい、髪油、練り紅、眉黛」など、中国で早期に流行した化粧品が展示されており、いい香りが薫っている。園内では職人より、「謝馥春」百年名品――鴨蛋香粉の製造体験もある。揚州土産に最適な記念品となっている。

  夜になると馥園は賑やかになり、揚州の唯一の夜公園の馥園で「千秋粉黛」という公演があり、揚州の伝統的な演劇を楽しむことが出来る。唯美な灯火に優美な踊り、そして良い香りが加わり、馥園の夜に酔っていく。

揚州早茶香

揚州の早茶は、揚州の街文化の特徴的なもので、全国的に有名。揚州人の早茶と言えば、まず湯包があり、地元では湯包を“皮包水”と言う。

揚州人は早茶を大切にし、早茶の食事方法には厳格な流れがある、まず緑茶から始まり、次に水晶肴肉、塩水エビなどの前菜、そして主菜は文思豆腐、大煮干糸などを楽しむ。更に各式の揚州菓子や漬け物がも外せない。

揚州にある多くの老舗は、茶社や茶楼といった名前で、揚州人は各茶楼の得意料理をよく知っている。富春の三丁包、冶春の翡翆焼売、花園茶楼の肉マン、毛牌楼の豆皮マン、錦春の野菜マンなど、すべておすすめできる料理である。時間があれば、ぜひ各茶楼を回ってみよう。

風光明媚で煌めく文化芸術を持ち、精巧でおいしい料理を味わえる揚州は、見て良し、食べて良しの古都で、美しい姿で、勢いよく発展している、この街の魅力を是非体験してみよう。