塩城に精霊が出没している

はじめに:

塩城は、黄海の畔にある重宝の地であり、ここには世界最大のシフゾウ自然保護区--大豊麋鹿国家級自然保護区があり、かねてより「シフゾウの故郷」の美称がある。さらに多くの自然のままの湿地もあり、これらの湿地は秋から冬にかけて無数の渡り鳥の生息地となっている。その中、九龍口国家湿地公園のカオジロダルマエナガは「鳥類のパンダ」と呼ばれ、極めて稀である。豊かな生態湿地は、国家級湿地珍禽自然保護区も育んだ。丹頂鶴、ソデグロヅルなどの野生動物は自然と調和して生息している様子は、実に壮観である。

本文:

塩城の冬はどのようなものかと聞かれたら、霊性に満ち、詩的で幻想的なものだと答える。晩秋の鮮やかな色がまだ完全に薄れていなく、果てしなく広がる干潟では、葦の花があでやかで、風情を漂わせる。シフゾウ、渡り鳥、鶴は戯れたり、水遊びしたり、散歩したりして、冬の精霊のようである。この時の湿地は静まり返って、時折鹿が鳴き、鳥が羽ばたき、まるでおとぎ話の世界に入り込んだみたいである。

森を深く進むとシフゾウが見られる・中華麋鹿園

雪が降った後の冬の日に、大地全体が白く雪化粧して、餌探しにシフゾウたちがふんわりした雪を踏んで悠々と歩いていく光景は、おとぎ話の中だけのものではなく、塩城大豊麋鹿自然保護区の中で真に起こっているものである。大豊麋鹿国家級自然保護区は黄海の畔にあり、世界最大のシフゾウ自然保護区であり、中には、森林、草地、沼地、水路が分布され、天然のシフゾウの生息地となる。初冬の保護区は、春のように生気があるわけではなく、夏のように涼しいわけでもなく、秋のようにカラフルでもなく、静かで癒しの雰囲気が醸し出される。

景勝地には、1986年に39匹のシフゾウがイギリスから祖国に帰ることを記念するために建てられた、高さ39メートルの封神台がある。この封神台に登ると、保護区の景色を一望のもとに見渡せる。さらに1つの観鹿台もあり、そこで見渡すと、広々とした湿地と野原が目の前に広がり、シフゾウの群れが視野に入るまで続く。シフゾウたちは森や池を行き来し、二、三匹が群がって、餌を探したり、遊んだり、ふざけたりして、見知らぬ観光客にまったく影響されず、心地よく自然である。夕暮れになれば、夕焼けは水面を真っ赤に染めて、遠くでは、葦の花が赤みがかった黄金色に輝き、人々と一緒に夕日を見ようとするかのように何匹のシフゾウが立ち止まっている。

湿地で精霊に出会う・塩城九龍口

塩城九龍口景勝地は里下河地域にあり、九本の河が一つの小島に集まってきて、まるで九匹の龍が玉を奪うようなので、九龍口と名づけられた。「天淡雲寒雪意新、銀花玉樹両分明(空が明るく、雲が冷たく、雪が降ったばかりで、木々に積もった雪がきらきらと輝く)」、冬の九龍口は太陽と月が共に輝き、河の風景が静かで悠遠であり、色とりどりの葦が雪に覆われた大地に彩りを添えて、蒼茫で悠遠な感じがする。

毎年の秋から冬にかけて、ガンが南へ向かって隊列を作って飛ぶ。越冬する渡り鳥たちは、干潟での餌探しから葦原に戻って休憩する。よく見ると、「鳥類のパンダ」と呼ばれるカオジロダルマエナガの姿も見られる。彼らは葦原を行き来し、時には、つめで葦の棒を引っ掛けて、時には、葦の棒にある虫をついばみ、躍る精霊のようで愛らしい。景勝地にはまた1軒の古風な「九龍楼」があり、3階建てで、黄色い壁に瑠璃瓦、廊下が曲がりくねって、登って見ると、水域が広大で、白鷺が水面で戯れ、甚だ壮観である。

鶴が雪の中を舞い飛ぶ・丹頂鶴自然保護区

冬の塩城を言葉で表現するなら、幻想的という言葉より適切なものがない。空は純粋な青で、至るところに真っ白な雪がある。この時の丹頂鶴自然保護区では、鶴が群れになって空を舞い飛ぶ。一羽が空を飛び回るか、二羽が連れ立って飛ぶかして、保護区の冬のユニークな風景となった。

水禽湖まで進むと、湖には魚、水面には鳥があるため、間近で丹頂鶴を鑑賞するのに最適な場所だと言える。高い所に登って遠くを眺めたいなら、望鶴亭は好適地であり、高さ18メートルで、六角型で反り返った屋根の建物で、そこで保護区の風景をを一望のもとに見渡せる。前へ進み、鶴楽園に着く。ここで丹頂鶴の繁殖、環境教育などを深く理解し、鑑賞した後で面白い勉強を楽しむことができる。このほか、景勝地内の丹頂鶴テーマ館に行って丹頂鶴の成長の秘密を探ることもできる。

四季が移り変わり、秋が去って冬が来る。忙しい中、また一年を送る。この冬をつかんで、塩城へ思い切って出かける精霊探しの旅に出たらどうであろう。きっと心を癒してくれる同時に心地よい旅になる。