一緒に山頂に昇り、自然系の休暇を楽しもう

5月の天気は温かさがちょうどよい。怒涛の暴雨もなければ焼き付けるような烈日もない。そんな優しさが山水に絵画のような素晴らしい景色を生み出させるのだ。
過山

舜過山は標高115メートル。江陰申港と常州市武進区焦渓が交わる地点に位置し、観山と連なり一体となっているこの山は、舜帝がかつて通りがかり、自ら耕作したとの言い伝えからその名を得た。
この山の見どころは高さではなく風景にある。空気が清新なので一家そろって出歩くのに向いている。山道は短いが野趣に溢れ、沿路では野花がまさに盛りを迎え、各種キノコが地面に顔を覗かせている。摘星台からは遠方の四野を眺めるし、山中の禅寺では心静かに物事を感じて悟りを得ることもできる。雨が降る日は霧と雨が朦朧とし、晴天にはたおやかな風景が広がる。山水田園の画廊という名に恥じない場所だ。


登山のあとはもちろん麓の焦渓古鎮を一目見てみるのもいい。時代がついた青石畳を踏み歩きながら団子を食べると、心も体も同時に満たされていくことだろう。

茅山
茅山も数多くの観光客を夢中にしている必見地だ。秀麗な山の姿、青々と茂った森、九嶺、二十六洞、十九泉という評言もあるここは、山頂に登って遠くに目をやると雲と霧がたなびき、さながら仙境のようだ。高くそびえる雲峰には絶壁が輝き、雲消え霧散る山の濃厚な緑に目を移すと、虚実の間、精緻な軒を連ねる古代建築群が見えつ隠れつする。


身体の疲れをどうやって癒すかについてはご心配なく。舜過山と同じく、茅山の近くにもインターネットで大人気のガチョウ村――仙姑村があり、各種グルメがそろっている。身体の疲れを洗い流すにはうってつけだ。

南山竹海
「天堂南山、夢幻竹海」、そう評される南海竹海の名は遠くまで知れ渡っていると言っていい。高く聳える竹が密に茂った広大な土地は天をも遮り、空気は上品で爽やかな淡い竹の香りで満たされている。


常州の最高峰があるとはいえ、この土地を巡るなら必ずしも山頂にこだわる必要はない。登山ルート沿いには十分といえるほどたくさんの風景――垻堤印月、水面に浮かぶ筏と歌、キャンプ場、レジャー村、南山寿泉、歴史ある古木などがある。マイナスイオンが充満するこの深い山のなかを逍遥すると、左手にはこぽこぽと湧き出す泉が、右手には雲に届かんと高く聳える竹と山がある。きっと楽しめるはずだ。

 
高所に登ると天を遮る竹は視界からその姿を消し、勃勃と沸き上がる生気に満ちた竹林が姿を見せ、微風に吹かれた竹の葉がざわざわと低く歌う。あるいはそれが湛えているのは、ここの山々、鏡のような湖、そして長いこと触れてきた時代の流れなのかもしれない。


この清浄な美しい土地では飲食も上品だ。鶏鳴古村では現地の特色あるグルメが豊富にそろっている。もっとも有名な目湖魚頭は柔らかくてみずみずしい魚の身と混じりっけなしの自然な味わい、そして爽やかな美味しさで、空腹を癒して心を楽しくしてくれる一品だ。