「国際湿地都市」の街、塩城

2022-12-01

『ラムサール条約』事務局は北京時間11月11日零時、ジュネーブ分会場で開催された第14回締約国会議において、塩城を含む世界25都市に対して「国際湿地都市」の認定証書を発布した。世界自然遺産の地となった塩城だが、再び輝かしい世界の名刺を手に入れ、世界の都市の湿地生態保護に関する最高の成果を達成したことになる。

中国の黄海沿いに位置する塩城は、湿地に生まれ湿地に育った、天に資源を恵まれた街である。東アジアとオーストラリア間を行き来する渡り鳥たちの旅路の中心的地点になっており、毎年300万羽の渡り鳥がここで羽を休め、繁殖し、冬を越す。ここの湿地は生態系の種類や規模、生物多様性保護などの面で世界的にも重要な地となっている。塩城の湿地はいったいどれほど美しいのか、以下に見てみよう。

江蘇大豊シフゾウ国家級自然保護区

江蘇大豊シフゾウ国家級自然保護区は中国四大湿地の一つである南黄海湿地に位置する。ここは世界最大の面積を占めるシフゾウ自然保護区であり、国家5A級の観光区である。保護区では今年、1036頭の小鹿が生まれ、5月までにシフゾウの総数は7033頭まで増加した。そのうち野生のシフゾウの個体群は3116頭に達している。

江蘇塩城湿地珍禽国家級自然保護区

江蘇塩城湿地珍禽国家級自然保護区は江蘇省中部沿岸部に位置する。主にタンチョウヅルなどの希少な野生動物や彼らの生存の頼みの綱である干潟・湿地の生態系を保護している。迫力満点で美しい黄海の干潟、広大で神秘的な「赤い絨毯」があり、いたるところで野生動物を見ることができるここは、生まれながらの「湿地の都、仙鶴の家」との呼び声が高い。

条子泥景区

条子泥湿地は世界で最も重要な海浜湿地生態系の一つであり、わが国14か所目の世界自然遺産である。毎年数百万羽の鳥類がここに滞在し、羽を休め、繁殖する。現在のところ、ヘラシギ、カラフトアオアシシギ、ズクロカモメなどの希少種を含む410種の鳥類が観察されており、うち193種は水鳥である。また、ここの80%の鳥たちは東アジアとオーストラリアの間を行き交う渡り鳥である。

九龍口景区

九龍口はわが国に最も完全な状態で現存する潟湖型原生湿地であり、3000ヘクタールあまりの原生湿地植生を有する。景区では60種余りの野性鳥類が生活しており、中でも国家一類保護鳥類であるシュバシコウと「鳥類のパンダ」と称されるカオジオダルマエナガが発見されているのは注目に値する。

大縦湖景区

塩城大縦湖国家湿地公園は主に大縦湖およびその周辺の湿地から構成されている。総面積は1060ヘクタール、公園内の自然景観は独特で、完全な生態系構造が整っている。多様な植生と豊富な生物種が集まっており、多くの野生の渡り鳥たちが生息地として選んでいる場所である。