水韻江蘇が福岡にお目見え、30周年友好の花が華麗に咲く

2022-12-20

 福岡県は九州最大の県で、朝鮮半島とアジア大陸に近いため「アジアの玄関」と呼ばれている。江蘇省と福岡県は1992年に正式に友好関係を結んで以来、長い間、青少年国際絵画展、日中茶会、江蘇物産展など様々なイベントを開催してきた。また、両者の友好のシンボルとして福岡・江蘇友好桜花園も作られた。おりしも友好関係締結30周年にあたる今年、11月26日から27日にかけて、活気あふれる中国・江蘇展が福岡で開催された。

                                 

 今回の江蘇展は「江蘇の世界遺産」という主題を引き続き掲げ、江蘇省の豊富な世界遺産資源を余すことなく展示した。また、江蘇―福岡の友好30周年を象徴するイメージパネルが準備され、両地の未来に対する江蘇の美しい期待が垣間見えるものとなった。ほかにも、イベントでは江蘇の代表的な無形文化遺産や手工芸、物語に満ちた景色が紹介され、現地の人々に江蘇の魅力ある風景を届けた。

                            

                            

   イベント展示エリアを訪れると、あたりは見渡す限り南京雲錦、蘇州檀香扇、揚州絨花、常州梳篦など、江蘇各地から届いた緻密で美しい文化工芸品や文創産品で煌めいており、道行く人たちも足を止めて鑑賞していた。中国駐福岡総領事館の律桂軍総領事も本イベントのために足を運び、江蘇省福岡県友好30周年という節目にあって江蘇観光(日本)ピーアールセンターが出展している江蘇文化の特色を豊富に備えた各種展覧品は江蘇と福岡の交流と発展に対して深い意義を持つと述べた。

                                                        

   また、大曲昭恵福岡県副知事は江蘇の深く重厚な文的堆積に惹かれ、緻密で美しいシルクのハンカチを買い求めていた。大曲副知事は満面の笑みを浮かべながら「江蘇省の特色ある逸品がこんなに身近で手に入るなんて思いませんでした。ほんとうに記念として意義があると思います」と呼べた。現場のスタッフは「蘇扇子、蘇刺繍、しおりなど、すべて非常に美しく作りこまれていて、手にとって吟味する人が多かったです。常州梳篦もとても人気でした。今回は日本の方々に江蘇を知ってもらうお手伝いが出来て、心から嬉しく思っています」と感想を口にした。

                                                           

                            

   団扇は中国の伝統工芸品であり、団圓(再び一緒になる)と調和の寓意が込められている。文化体験区では日本の来場者が団扇を一つずつ手に取り、自分の心に浮かんだ江蘇を描いていた。人々が描く筆墨には、園林の小窓の外に茂る花であろうと竹竿で船を進める老人であろうと、どれも江蘇への好感や愛が滲み出ていた。

                            

   冬が近づくなか、美しい飾りぢょうちんも江蘇-福岡の友好30周年を明るく照らした。宮灯は中国の伝統的飾りぢょうちんの工芸品として、一般的に宮廷装飾に用いられたり中秋や元宵など中国の伝統祝祭日で使われたりする。会場の人々は手本となる図柄がプリントされた紙を真剣に見つめながら、宮灯の材料を細かく張り合わせ、中国文化の古典美を身をもって味わっていた。

                            

   会場では投壺の体験活動も開催され、興味を持った多くの来場者が参加していた。投壺とはすなわち「矢を投げて壺に入れる」もので、古代中国の士大夫たちが宴会で行っていた投擲遊戯の一種であり、儀礼である。会場では子どもたちがやってみたくてたまらなそうな様子で次から次へと腕前を披露し、投壺を通じて中国の伝統的な礼儀を理解し、古人の生活の楽しみを感じていた。また、イベント会場では記念として碧螺春茶の茶葉と漢服に合わせる“かんざし”が来場者全員に送られた。多彩な体験と美しいプレゼントが合わさって、今回の中国・江蘇展は人々に深い印象を与え、日本の人々からの満場の好評を得た。

                             

 ほかにも、展示ブースでは江蘇省や省内各都市をPRする日本語版パンフレットが並び、問い合わせに訪れる来場者が後を絶たず、キャンペーン期間中、ほとんどの各種資料が来場者の手に取られていた。観光ハンドブックのページを繰りながら、内容が緻密に作られていることに感嘆し、機会があれば江蘇旅行に行ってみたいと口にする若者たちの姿も目についた。

                            

   また、ある日本人来場者は、江蘇展のパンフレットが質・量ともにしっかりと準備されていて、江蘇の悠久の歴史にとどまらず、深厚な文化、魅力的なグルメ、そして活力に満ちた未来を感じたと述べ、仕事の関係で以前から江蘇に親しむ機会が多かったので今後また江蘇に行けるなら行って見てみたいと語った。

                              

   結び:この1年の“水韻江蘇”は、花咲く穏やかな春の季節に名古屋“Travel Land”にて登場し、心地よい秋風に乗って東京に進出して日本国際観光博覧会に出展、そしてこの温かな冬、福岡というなじみの土地で再会、中国・江蘇展に参加することになった。江蘇観光の花は名古屋、東京、福岡の三地で次々と綻び、自然と人文とを通じ、さらに多くの日本の方々に江蘇を知らしめ、脳裏に焼きつけた。この蘇州観光の旅の花が国際旅行が再開された後、より煌びやかに人目を奪うように咲き、少しでも多くの国外の人々が絵の如き江蘇を訪れ、水韻の美しさを味わってくれることを、我々は期待している。