癸卯の年賀展――「色々」な兎たちが新年の幸先良いスタートを祝います!

2023-02-23

六朝博物館ではめでたく「私たちの節句・福兎迎春――癸卯の年賀展」が開催されている。展示は「兎年説兎」「福兎迎春」「肖兎名人」の3つのユニットに分かれている。文物と無形文化遺産工芸品の展示によって干支や年越し文化・新年習俗を読み解き、六朝名家の風格を体現し、空間美学の造形によって「もっとも南京らしい」文化的新年へと参観者を誘っている。

01.兎年説兎

2023年は中国旧正月では癸卯(みずのとう)の兎年である。伝説では、兎は月で不老長寿の薬をついて煎じていた。ここから兎には瑞祥の寓意がある。展示ホールを訪れるとまず最初の展覧ユニットは「兎年説兎」(兎年に兎を語ろう)だ。ここで展示されている利口で可愛らしい兎たちを見ると、やってきた参観者たち一人ひとりの顔は玉のように穏やかで優しくなる。様々な姿かたちをした兎のイメージや「兎」文化の要素を持つ文物がショーケースのなかに入り乱れるように配置されているほか、展示パネルでは十二支、年越し文化・正月習俗、文学などの角度から兎文化を展示している。生き生きとして活発な兎も、ちょっと間が抜けて可愛い兎も、このユニットでは巧みで精緻な兎たちが新春の祝福をあなたに送ってくれる。

02.福兎迎春

 展示の第二ユニット「福兎迎春」は、吉兆を題材とする民俗文物や種類豊富な無形文化遺産工芸品がライトに照らされて穏やかで嬉しそうに並んでいる。めでたさ満点の赤いパネルでは、昔ながらの南京の伝統的な年越し・新年の風習を解説していて、すらすらと口からこぼれる伝統園芸南京白局『過年』や高い城壁に登って行う幸福祈願などなど、生き生きとして鮮やかな新年の雰囲気が行間からありありと伝わってくる。会場に佇むこの一抹の赤い活気は、中国人の思い出のなかの新年の味わいなのだ。

03.肖兎名人

 第三ユニット「肖兎名人」は自然を尊ぶ六朝の美学的趣味を反映している。パネルに採用されている淡い青は六朝と玉兎(月)のイメージを体現したもので、中国のシンボルカラー赤と合わさってコントラストを形成し、展示の視覚的効果を高めている。嵇康、葛洪、劉義慶など、ここでは兎を干支とする六朝時期の名高い人物のエピソードがゆったりと広がっており、これら六朝人の精神的様相が展覧会のしっかりとした文化的下色となっている。

04.芸術装置と見どころ

 内容豊富なパネルや美しい展示品のほかにも、国潮(グオチャオ)と呼ばれる新中国風スタイルの家族写真撮影用背景、縁起のいい可愛い兎の彫刻セット、「二次元」の古画『南都繁会景物“兎”巻』のビジュアルディスプレイなどなど、シーンごとにまるで星のような装飾が施されている。そうして引き出された年越し・新年の文化要素が街の持つ歴史的風貌の情感と結びつくことで、来館者たちは新年のめでたさや喜ばしさとともに先へ先へと参観の足を運ぶのだ。

さあ、会場を訪れて心を満たし、博物館の文化の空気のなかで新しい一年をスタートさせよう。