夜の金陵の過ごし方

南京は古くは金陵と呼ばれ、何千年もの歴史が刻まれてきた街である。昼間の南京は穏やかで上品に見えるが、日が落ちると、この歴史ある古都は「表情」を変え、艶やかさ、活発さ、温かみなど様々な都市の雰囲気を漂わせる。

昼間の南京に魅力を感じたことがあるかもしれないが、夜の南京にもきっと驚かされるだろう。ネオンがつくと、同じ南京の中で、異なる年代の特色は更に際立ち、南から東に至るまで、我々は古代から現代における都市の風情を味わうことができる。

夜泊秦淮河

秦淮河を見ずに南京に行ったと語ることはできない。早くは六朝時代、秦淮河はすでに商賈が集まり、文人が集う活気ある地であった。そのため、多くの楼閣の景観、古代の小道や街路が残されており、今日では夫子庙を中心に、秦淮河が紐帯となり、瞻園、白鷺洲、中華門などの沿岸風景を連ねて、秦淮河風光帯が形成されている。昼間秦淮河で目にする歴史的古跡は実はあまりにも厳粛で、もし秦淮河の魅力を十分に感じたいなら、船に乗って夜の旅に出かけてこそ秦淮河の正しい過ごし方と言える。

秦淮河夜遊にはオススメのコースがある。それは夫子廟泮池埠頭から船に乗り、東へ向かって、水街、桃葉渡、中華門鎮淮橋を折り返し地点として、夫子廟に引き返すというものだ。昼間、陸から見た秦淮河とは対照的に、夜船に乗って見た秦淮河は一段と穏やかで魅力的。また、船は南京で最も古い庭園「瞻園」を通過するが、夜にライトアップされることで、この600年以上の歴史を持つ古典庭園に江南の趣が現れる。船首に座って、夕風を浴び、過去と現在が目の前で交錯する。これはまるでこの両岸で軽快な音楽に合わせて優美に舞い、文人が仰ぎて詩を賦す繁華な時代にタイムスリップしたかのようだ。

夜の娯楽・南京1912街区

1912年、この年は非常に特別な時期だった。孫文が南京で中華民国臨時大総統に就任し、中国は2千年以上も存続していた封建制度を終結させた。このような歴史的背景の下、総統府から約200mの場所に南京1912街区が落成した。

1912年という特殊な節目を建設の背景にしている以上、ここには中華民国の雰囲気があふれる建築様式を用いることが決められた。青灰色の煉瓦造りの壁には、その隙間に描かれた白線以外の装飾がなく、アーチ型の窓に英国式の欄干がついていて、民国期の控え目さと優雅さを示している。こうした建築だけでも、往来する人々が足を止めて見物し、夢中になる的だ。

日が沈むにつれ、ここの建物と周囲の緑植上のライトが次々と点灯し、1912街区は鮮やかさを増し、昼間の静かさを消し、にぎやかな表情を見せ始める。様々なスタイルのアートバーやブティックレストランが扉を開け、お客様を迎え入れる。日本風の小居酒屋を探している一人の人も、友達と一緒に賑やかな店を探している人も、通りすがりの人も、ぴったりのお店があるはずだ。そして足を止めて街区内で行われているイベントを見てみるのも楽しい。伝統と流行が融合するこの場所で、普段見られない多くの楽しみと出会えるだろう。

夜読書・鳳凰書坊

 南京1912街区の賑わいよりも、静かで落ち着いた夜を好む人もいるだろう。こんな時、鳳凰雲書坊に足を運び、南京の「ナイトライフ」の違った一面を見て欲しい。鳳凰雲書坊は玄武湖から近い場所にある、24時間営業の書店。透明なガラス張りの外壁は清潔感があり、夜になると室内の暖かな黄色の光が透けて、より暖かさを感じる。書店には2万冊以上の本があり、木色の机と椅子に合わせて、柔らかな光と緑の植物で飾られている。空間全体がシンプルであり寛大で、そこに一歩足を踏み入れると、どこか安心感を感じられ、つい本を手に取って読んでみたくなる。

読書以外にも、鳳凰雲書坊でさまざまな文化的で創造的な商品の展示と販売、文学サロン、深夜に行われるブックシェア会などのイベントも、「読書+ライフ」の雰囲気を作り出している。ここは時間に制限されない空間。あなたが望むなら、夜が更けて静かな時に腰を上げると、体と心は最高のリラックスを感じることができる。

南京の魅力は日没とともになくなるのではなく、かえって夜のネオンの下で更に魅力的に見られる。この古城は伝統と現代を融合して続け、夜間のショッピング、フィットネス、飲食、宿泊といった充実ライフを生み出している。増え続ける「夜の金陵」の素晴らしさはあなたをきっと満足させることだろう。