“運河の都”淮安日帰りの旅ーー里運河文化回廊

淮安は運河によって栄えた都市で、繁盛な運河貿易が淮安に豊かな文化財産を残してきた。里運河文化回廊では当時の盛況とした様子と現在のモダン都市の2つの淮安を体験し、きっと満足のいく旅となるだろう。

淮安市は江蘇省の中北部、長江北岸に位置し、2200年の悠久の歴史文化を持つ名都で、かつては漕运(水路で食料を運ぶ交通手段)の中心地で、塩を運ぶための要衝でもあった。 漕运総統府と江南河道総統府がこの地に駐在しており、歴史的にも蘇州、杭州、楊州と並ぶ沿線4大都市の1つとなっており、“中国運河の都”と呼ばれていた。

淮安への旅は、まずその運河文化を楽しむことから始まる。今回は淮安の代表的な運河情緒日帰りの旅 “里運河文化回廊”をご紹介。

里運河文化回廊

里運河は京杭大運河の一部で、淮安市内を流れている箇所を指す。里運河文化回廊は淮安市の重点開発運河観光路線となっており、沿道は古来の古民家の他に、モダンな新興都市としての高層ビルが建並び、また様々なコンセプトの展示展覧館などもある。川沿いの散歩、船で運河に出れば、運河貿易で繁栄した都市をもっと深く体感できるだろう。

運河ナイトクルーズ

昼間すでに運河及び沿道の観光スポットを体験していたとしても、“運河ナイトクルーズ”は絶対に外せない。画舫へと進み、河の両岸の光が窓から船内を照らし出し、優雅な音楽と穏やかな波、そして秋の涼しい風を感じれば、心は自然と和んでくる。河道には新旧様々な橋が掛かっており、それらは光に照らされ、まるで金色の龍が空へ登る姿を彷彿とさせる。両岸の景色とイルミネーションが観光客を魅了し、ガイドによる運河に関する歴史物語を聞いていると、頭からつま先までこの雰囲気に没頭していく。

清江浦記憶館

最盛期、淮安里運河一帯は“清江浦”という旧名で呼ばれていた。“清江浦記憶館”はその時代の淮安を展示紹介している場所で、館内では縮小模型とプロジェクターを使い、当時の風景を再現している。

また古い町並み再現した展示エリアもあり、当時へのタイムスリップ体験も出来る。

河下古鎮

里運河文化回廊日帰り遊覧船に乗れば、河下古鎮へ行くことが出来る。

清王朝時代(1636年ー1912年)、河下は周辺地域の塩生産中心地であった。各地の塩商人はここへ集結したので、この場所は淮安の重要な商業埠頭であった。当時、この地には豪邸が軒並みに並び、その美しさは揚州の塩商人庭園とよく比較される。現在は遺跡として“状元楼(科挙試験の合格者)”、“魁星楼”、“呉承恩(西遊記作者)の旧居”などがあり、各通り、各橋に付随する沢山の物語がある。

古鎮の石畳で歩き、古民家の間の道を散歩すれば、心は体から飛び出し遠くはなれ、数百年前の人々の賑やかな声、慌ただしく塩貿易に奔走する人々に思いは馳せていく。

現在では運河は主に観光用としてだけ利用され、物流の要衝ではなくなったが、文化遺跡として現在も息づいている。