南通の唐門鎮、典雅な素朴さ

南通は、蘇中、長江デルタの北に位置し、略称を「通」、古称は通州と呼ばれていた。通州湾の自然環境は素晴らしく風光明媚である。南通の唐闸鎮は更に素朴な雰囲気となっており、時間に余裕が有れば唐闸鎮まで足を伸ばし雰囲気の一味違うこの街を感じてよう。

南通の唐闸は中国近代民族工業の発祥地の一つで、南通市北冀新城の中心位置にある、1895年から中国近代の工業化の歩みは始まり、その中で唐闸は近代工業史の重要拠点として、長い歴史の中で色濃い足跡を残してきた。

長い歴史の中、月日は流れていくが、この街に残された倉庫や西洋風の建物などは近代工業歴史を現在に残しており、歳月を超えて唐闸の昔の姿を残している。

1895文化創意産業園-真実、アイデア

1895、ここでは時間は只の概念ではなく、有形な活力に満ちた実景がある。伝統と現代が出会い、歴史と現実が溶け合う。トレンド、クリエイティブなアイデアが生まれる新しい場所で、展覧会なども開催可能な場所となっている。

最も完全でリアル、そして最も集中的にある中国の早期民族工業遺跡。古くコンクリートの塊の工場はなくなり、新しい文化アイデアセンターとして生まれ変わり、都市生活の一部となっている。

 壁一面のキヅタが冬に緑の雰囲気を生み出し歴史の滄桑を感じられる。創意園は伝統を継承するだけではなく、現代芸術のトレンドと向き合い、近代的なアイデアをもたらす。時間の沈殿した余韻が、クリエイティブなアイデアに光を灯す。 各アートイベントの中では、美しい陶器作りや、想像力を発揮した版画作り、またアイデアマーケットに行き、様々なアイデアの文化体験など、古来の工芸技術を使った、ゆったりとした生活体験が出来る。

水色染坊——厚重、天然

冬の唐闸鎮を散歩すれば、見たこともない景色に出会うことができるだろう。 水色染坊の庭へ足を踏み入れると、草木が生育されており、干した薬草等もあり、面白い雰囲気となっている。室内の配置は寛闊で、細部まで拘り作られ、染坊の主人はセンスや高い知識をうかがい知ることが出来る。重厚な木門は重厚な歴史を体現し、まるで歴史画の様である。

経綸堂、水色染坊の主人、「経綸堂主」王浩然、絹織物などの無形文化遺産の伝承人。古法染色の技芸は水色染坊にて受け継がれており、花弁の洗浄や、乾燥、揉み込等、1滴1滴に心を込めて作られている。

一枚一枚の布生地を、染色、乾燥と作業を繰り返し作られる、天然素材の織物は、天然染料のそれぞれ最適な染色時間があり、また各染料も季節に合わせ快適の染色回数がある。 失敗と試行錯誤の長い時間の蓄積があり、この美しい色が生み出されていく。 この天然染坊では、満足いくまで自分で色染体験ができる。

尚書院——素朴、天然

尚書院は、唐門鎮の特色を持ついくつかの、小さな庭で構成されている。尚書院の中には、白壁、黒瓦、彫花の窓など、至る所に墨の香りが漂い、濃厚な国学文化の雰囲気に満ちている。

冬の本屋はとても静かだ。チェーン店の本屋とは違い、コーヒーの香りは無く、お茶の淡い香りだけが漂う。その静けさは、窓際の植物の呼吸まで聞こえるようである。本屋の中には、原木色の書棚があり、その上に「尚書院」と三文字で書かれており、素朴で典雅な雰囲気となっている。

冬日、日当たりの良い部屋の中で、ぽかぽかと窓からさし込む日光で本を読む。時折吹くそよ風が心から落ち着かせる。ここでは、お茶を飲みながら、読書を楽しむ事ができる。 普段はあまり使わないペンを取り、書房四宝の古韻を体験しながら、心静かに思うがまま、文章を書いて、時のゆっくりとした流れを感じてみよう。

南通の唐門鎮には、たくさんの文化財跡があり、ここでは古来の古鎮の殷盛や繁栄を肌で感じることができるだろう。青レンガと瓦を積み上げた四合院を見学し、飽きの来ない鳥煲と牛肉の美食、帰る時間を忘れてしまうだろう。