江蘇省の新指定・省級文化財を紹介する(上篇)

2025-07-15

7月4日、江蘇省政府は第9次「江蘇省文物保護単位」74カ所を正式に認定・公表した。そのうち新たに追加されたのは64カ所で、内訳は古代遺跡13カ所、古墳4カ所、古建築19カ所、石窟寺院および石刻1カ所、近現代の重要史跡および代表的建築物26カ所、その他1カ所となっている。また、既存の保護対象に対する拡充が3カ所、指定内容の調整が7カ所行われた。

黄崗遺跡

图片31.png

黄崗遺跡は総面積約5.6万平方メートルにおよび、これまでの発掘調査で2000点以上の多様な文物が出土している。考古学的調査によれば、黄崗遺跡の第1期(約7300年前〜6500年前)からは、青蓮崗文化の顕著な特徴を持つ遺物が発見されており、この文化の命名において実証的な根拠を提供している。第2期(約6100年前〜5600年前)からは、精緻な彩色文様の陶器が多数出土しており、当時の高度な工芸技術を物語っている。

草堰港遺跡

图片32.png

草堰港遺跡は総面積8万平方メートルを超える大規模な遺跡で、特有の湿地帯における高い地下水位により、多くの有機質遺物が良好な状態で保存されている。考古調査では、灰坑、住居跡、井戸、柵、木造構造物などの遺構が確認され、さらに陶器・骨器・石器・木器・玉器・貝製品など、さまざまな素材による文物が数千点にのぼって出土した。あわせて、多くの有機質遺物や動植物の標本も発見されており、当時の自然環境と生活様式を今に伝えている。

大同舗遺跡

图片33.png

大同舗遺跡は、総面積約16万平方メートルにおよぶ広大な遺跡で、これまでの考古調査により、多数の土器・石器・玉器、さらには動植物の標本が出土している。放射性炭素(C14)年代測定の結果、約2700年前にはすでに稲・小麦・粟・きび・大麦などの作物が栽培されていたことが判明しており、水稲と畑作を組み合わせた「稲畑混作農業」の存在が確認されている。とりわけ、麦類作物の遺存としては、江蘇沿海地域で最も古い例の一つとされている。

木瀆古城遺跡

图片34.png

木瀆古城遺跡の総面積は約24.79平方キロメートルにおよび、遺構は主に五峰・新峰・合豊・千年寺・呂蒙坞などの地域に分布している。「広域に散在し、小規模に集住する」という特徴を持ち、当時の集落形態や地域構造を示す重要な考古資料となっている。

溧陽古県遺跡

图片35.png

溧陽古県遺跡は、現存面積が約13万平方メートルにおよぶ大規模な遺跡で、城郭の平面はほぼ長方形を呈し、城壁の周囲は約535メートルに達する。土塁は黄土によって夯築され、内外の壁面には青煉瓦で補強された痕跡がある。本遺跡は、魏晋南北朝時代における「永平」および「永世」県の治所とされ、多数の文物が出土し、遺構の状態も良好である。六朝時代の県城遺跡としては、国内で初めて構造がほぼ完全な形で明らかとなった重要な発見である。

元和塘古窯遺跡

图片36.png

元和塘古窯遺跡は、唐代に開削された元和塘の沿岸に位置し、晩唐・五代の時期から明清時代にかけて継続的に使用されてきた。考古調査により、陶窯や沈殿池などの窯業関連遺構が多数確認され、精緻に作られた陶製の祭器・陶塑像・陶型(鋳型)をはじめ、陶鉢・香炉・陶灯といった生活・生産用具が大量に出土している。中でも、元代「至正」銘の祭器用陶型の発見は初の例である。また、出土した陶片の一部には、夔龍文・鳳凰文・雲雷文・梅花乳丁文など、多彩な文様が施されておる。

官窯山遺跡

图片37.png

官窯山遺跡は、90基を超える煉瓦窯と多数の関連窯業遺構から構成され、3つの区域に分かれている。これまでの発掘調査では、そのうち16基の煉瓦窯をはじめ、窯業関連の建築基壇、煉瓦の乾燥場、排水施設、交通用水路などが確認された。さらに、「応天府」や「上元県」などの銘文が刻まれた城壁用煉瓦が大量に出土しておる。

儀征攔潮閘・大碼頭遺跡

图片38.png

儀征拦潮閘および大桟橋遺跡は、儀征市真州鎮の南門外に位置し、拦潮閘(潮止め水門)、都会橋、子塩埠頭、九竜橋遺跡の4つの部分から構成されている。この遺跡群は、長江と運河の合流点における重要な歴史的証拠であり、大運河および長江の水運の歴史において極めて重要な役割を果たしてきた。