山河は秋色に染められ、詩意の鎮江を尋ねる(旬の秋)

前書き

鎮江市は、千年の文化が伝承されてきた江南の古城であり、ここの山水には文人の思いが込められ、温もりのある山林と賑やかな市街地は輝きを放っている。鎮江にて古城ならではのゆったりとする時間を過ごし、秋を満喫しよう。

本文

夏の賑わいに別れを告げるとすぐに秋の便りが届く。秋の鎮江は、自然の山水もあれば、街の生活感も溢れている。焦山で金色の秋を探したり、金山湖で夕日の壮麗さに驚いたり、青石の街道を散策しながら歴史の跡を心に収めたりしても良いだろう。この秋に身を置き、あなただけの美しい鎮江を探そう。

花びらが舞い散る焦山     

この秋晴れの爽やかな時期は山間の歩道に沿って散策するのにぴったりな季節である。涼しい風に当たりながら、花びらが舞い散る様子を見ると、焦山はやはりハイキングする良い場所だと思うだろう。 

 焦山は鎮江市の北東に位置し、万里の長江に囲まれた観光向けの唯一の小島である。秋の島は静かで優しい雰囲気に包まれ、空気には甘い金木犀の香りがする。山間を散策すると、大雄宝殿の前、御碑亭の横、観瀾閣の下、別峰庵の中に樹齢百年を超えた銀杏の木がそこかしこにある。木の全身は金色に染められ、日光が枝葉を差し込んでいる。秋風が通り過ぎると、葉っぱは蝶が空を飛び舞うようにひらひらと振り落ち、大地を金色に染め上げる。楓の林の中で火のように燃え上がる赤い楓は白い壁に黒い瓦の建物と映り合い、季節の思いを呟いている。はしゃいでいる子供や恋に落ちるカップル、そして撮影の道具を担ぐ写真愛好家たちはこの濃厚な秋色に惹かれ、秋の美しさに酔いしれる。焦山に満ち溢れている文化の雰囲気は自然の作り成す壮麗な景色と相まって、一層美しく感じる。この中に身を置くと、時間がゆっくりと流れ、心まで清らかになれる気がする。

心が奪われる美景——金山湖景勝地

秋の鎮江市には山林の野性の趣があれば、生き生きと変化に富む緑水もある。優しい秋風は金山湖の上を通り過ぎ、湖水が軽く揺れる様子は魅力的である。鎮江市金山寺の北側の麓に位置する金山湖景勝地は鎮江市に欠かせない「緑の肺」的な存在で、市民に休暇の場や豊富な酸素を提供する宝の公園とされている。

秋の金山湖景勝地は緑水、赤と緑が混ざった林を囲み、この上ない美しい雰囲気を醸し出している。立派な慈寿塔は青空を指し、波が軽く打つ湖面は鏡のように、空の雲の姿を映していて、静かで素晴らしい景色である。ここでゆっくり歩くと、葉っぱが風で落ちるような優しい雰囲気に包まれていく。水際にある歩道沿いの水杉は緑から金色へ、そして橙色に変化している最中で、遠くから見ると、水彩絵具のように鮮やかな色合いで息を呑むような美景である。すぐ隣の金山寺は夕日の光で極彩色に輝き、「白娘子水漫金山」という伝説のシーンが今にも目に浮かぶようである。金山湖の畔に立ち止まり、夕日と秋葉が映り合い景色を目にすることができれば、この上ない良い体験となるだろう。画舫に乗り込めば、金山湖から鎮江市の古城風貌や自然を見渡せ、色とりどりの景色を満喫できる。

水墨画の世界——西津渡

鎮江で秋を体験したいなら、わざわざ遠くへ足を伸ばす必要はない。朝や夕方に西津古渡に来れば、秋の到来にすぐ気づくだろう。西津渡古街は歴史・文化の名城である鎮江市の「文脈」と言われている。千年の歴史を有しているこの古街道は全長わずか1000メートルあまりだが、唐と宋の時代の青石の街道、元と明の時代の石塔、清の末期の楼閣などが残されている。ここの秋は、歳月の重みが滲む美しさがある。街中に漂う金木犀の甘い香りは、人々を酔わせ、青石の路面には歴史の跡が残されているため、それを見ると千年という時間の移り変わりがわかるような気がする。優しい日差しは歴代の名人の筆跡のある「門楣(ドアのかまちの上部の横木)」や軒の下、瓦の上に注がれ、水墨画のように徐々に広がっていき、秋の情緒を演出している。赤く染められる反り返った軒や彫刻が施された花窓、西側にある唐代風の小さな港などこの古めかしい街道を歩いていると、時の温もりを感じ、過去や未来の世界に没入することができ、まるで青空の歴史博物館を見学しているようである。秋風は悠長な街道を通り抜け、ここで流れていた長い歳月の物語をあなたに呟いているようで、思わず足を止め、この古い通りでの時間を静かに過ごしたくなるだろう。