高く険しい山に陣取り、長江防衛の拠点となってきたここは「鎮江」と呼ばれます。昔から今に至るまで実り豊かな江南の食の里であり、重要な港町です。江南丘陵に位置する鎮江は山で有名です。三国典故と密接な関係がある北固山や、書道の山として日本と深い縁がある焦山、そして白蛇伝の舞台である金山。それぞれ個性豊かなこの三つの山が一体となって三山景勝地を形成しています。古来より名所とされ、数多くの文人墨客が鎮江を訪れ、その魅力を楽しんできました。

長江デルタ地帯に位置する他の大都市と比べると、鎮江は賑やかさや派手さに欠けた静かな町です。しかし、侘び寂びに溢れる西津渡であろうと、千年の時を越えて絶えず流れ続けてきた大運河畔であろうと、まるでタイムスリップしたかのような昔と変わらぬ光景が広がるこの土地に身を置くと、数千年の歴史の淀みに心が洗われます。