連雲港海州区にある民主路老街は、清朝末期にその姿を現し、すでに百年以上の歳月を刻んできた。全長650メートルのこの老街は、海州区における商業の発祥地として、港町・連雲港の発展と、何世代にもわたる人々の歩みを静かに見守ってきた歴史の証人である。
通り沿いには、民国時代に建てられた数多くの歴史的建築が立ち並び、中国と西洋の建築様式が融合した「中洋折衷」の美しい風情を今に伝えている。長い年月の風雨にさらされながらも、「古きをそのままに修復する(修旧如旧)」という理念のもとで丁寧に修繕され、老街は再び息を吹き返した。いまでは、港町・連雲港における民国風情を象徴する、唯一無二の文化的ランドマークとなっている。
連雲港の街の魂を感じたいなら、この老街は見逃すことができない。市の非物質文化遺産博物館、民俗博物館、そして海州の記憶をたどる「城事記憶館」には、この町の歩んできた軌跡が静かに息づいている。夜が更けると、「夕風文創製品ナイトマーケット」がにぎやかに開幕。感性あふれるクリエイターたちによる手仕事の品々が並び、そぞろ歩くたびに、角を曲がるその先には小さな驚きとロマンが待っている。