文蛤餅

南黄海の干潟で産出される文蛤(ハマグリ)は、肉厚でジューシーな味わいが特徴で、「世界第一鮮」と称される。文蛤と麺を焼いて作る文蛤餅は、江蘇省南通市では古くから知られる名物軽食であり、「文蛤餅を食べれば、何を食べても美味しくない」という誉れを持っている。伝説によると、乾隆皇帝が江南をお忍びに出て、乗っている船が南通を通るとき、この文蛤餅の香りに魅了され、試食して大喜びして大変称賛し、宮殿に戻って「天下第一鮮餅」という称号を与えたと言われている。

文蛤餅は金色に輝く銅貨に見えるため、「金銭文蛤餅」とも呼ばれている。さくさくとして、中に入った文蛤は柔らかくて滑らかで、よく噛むと香りと旨みが強く長く続き、海の味が舌の上に花開き、実に美味しい。