熙南里歴史文化街区

中山南路と昇州路が交わる場所にある熙南里は、南京ならではの歴史的な風貌が残る町並みである。ここは甘熙故居を文化遺産の媒体して、至るところに「緑の瓦と馬頭の壁、回廊と格子窓」のような建物が点在し、城南のきらびやかな過去を封印している。

古き良き路地を歩けば、南京の老舗レストランや各時代の歴史的建造物が改装されたミニ博物館群が見れるほか、「樊登読書」「三余書舎」などの人気の書店や中国風トレンド、無形文化遺産をテーマにした市場を散策することもできる。

ここを訪れたら、『南京喜事』も体験可能だ。観客は見るだけではなく、それぞれがお気に入りの南京の華やかな衣装を選んで、独特なキャラクターになりきり、神秘的な屋敷で起こる出来事に没入することで、自分だけの「南京物語」を楽しめる。

日が暮れると、音楽噴水、レトロな街並み、文化創意商品の夜市などは賑やかな熙南里街区を一層輝かせる。この街区では夜間限定のスペシャルイベントを打ち出している。屋外では、一般市民向けの無形文化遺産や演劇のショーがあり、特に民謡の演出はとても大人気だ。星光映画館は毎週金曜日、土曜日の夜七時から大板巷2号の庭でレトロ映画を放映しており、多くの映画愛好者の足を留めている。

2022年、甘熙故居は新たに夜間観光向けのプロジェクト『甘宅雅韻』を立ち上げた。ライトアップして夜間の観光環境をより明るく、より美しく、文化的な雰囲気を漂わせている。それに、昆曲の演出や「文化の集合」などを加えることにより、市民と観光客は金陵の絶景の全体像を目に収め、甘熙故居の演劇文化や金陵城ならではの味わいを体験することができる。

昼間の喧騒が収まり、落ち着いた場所に向かおう。木枝にかすれる涼しい風に触れたり、建物から溢れ出るほのかな香りを感じたり、老舗のグルメを味わったりすることができれば、この上にない幸せなことだろう。熙南里街区は最も素朴な演出、最も伝統的な文化を用いて、夜の金陵の独特な顔を見せ、文化観光の盛宴を作り上げてくれている。