奔牛古鎮、古運河の畔にある時の印

ここは、古運河の畔にあり、多彩な文化遺産や人的・文化的蓄積、数え切れない文人と商人の物語が歴史の流れの中で輝く場所である。昔のここは、江南に名を轟かす水陸交通の要所および開港場で、今では常州エリアにおける水、陸、空の交通手段で便利な物流の重鎮となっている。ここは、約2100年の歴史を持つ常州の古鎮—奔牛である。

老街·時の印

 運河の畔、船は行き来し、馬車は急ぎ、建物は林立して、旅館や居酒屋はそこかしこにたくさん佇んでいる。江南に名を轟かす繁栄の様子は奔牛の古い記憶として古鎮の誌に記録されている。

 奔牛老街は数字の「7」の形をしており、京杭運河の北側にあり、東街、中街、西街、横街からなり、全長は約1000メートル。その中の横街と東街にある建造物は主に清代や民国時期のもので、東街1号の王氏邸宅は長い年月が経っているにも関わらず、建築の様式が鮮明に残されている。散髪屋、写真館、布屋、靴屋などの店がある老街を散策すると、タイムマシーンにでも乗り込んで、昔のスローライフに戻った気分にさせてくれる。

典故·歴史の跡

万縁橋は奔牛鎮東街老孟河の出口に位置し、今日、省級文化財保護対象となっており、老街観光の欠かせないスポットでもある。晋国大夫の兪伯牙は奔牛に寄りかかり、琴で「高山流水」の曲を弾いて、曲に託された思いを悟った鍾子期と知音(気心の知れた友人)になった伝説がある。この千年の伝説を記念すべく、奔牛人は奔牛公園に伯牙橋をかけ、兪伯牙と鍾子期の彫像を作り、二人の友情を称えている。時は進み続け、生活は変わっても、あの記念すべきひと時は、この古運河のそばに、そして人々の心に永遠に残るだろう。

発展 ·華麗なる変身

 今の奔牛鎮はかつてない活気に満ち溢れている。大運河奔牛鎮流域は、全長11.6キロメートル、中国大運河の常州流域にある比較的良い状態で保存されたエリアの一つで、様々な有形文化遺産が十数箇所ある。今日、沿岸にある建物は改装され一新されたが、裏通りの建物は千年の古い街道の味わいをそのままにし、二つの風貌が相まって輝いている。奔牛老街には青いレンガに黒い瓦の「吊脚楼」や、古い井戸、古い橋、木製の扉があり、江南代表的な「小橋流水人家」の様式である。奔牛老街の歩道橋から西へ眺めると、悠々たる運河の水が流れ、遠くに、千年の古刹が聳え立つ景色は絵の如き、特別な魅力を感じる。