陸巷古村

陸巷古村は蘇州呉中東山鎮に位置する。ここは江南建築群のなかでは質的にも量的にも目下もっとも良い状態で保存されている村落であり、「太湖一の古村」という誉れを持つ。山を背にして湖に面する陸巷村では、果樹林のなかに白壁黒瓦が映え、周囲の山水と一体となっている。古村のなかには寒谷山庄、北箭壶、観音堂など「72宇半」の明・清の高堂巨宅が密集している。村にはまた長さ500メートルの明代の古い町並みがあり、「探花、会元、解元」という明代の牌楼が3つ建っている。

陸巷村を訪れたなら、恵和堂には必ず行かなければならない。恵和堂はまたの名を宰相府といい、王鳌の故居である。ここは村で最大規模の旧邸であり、なかには書楼、私塾、厨房などすべてそろっている。敷地内に足を踏み入れると、彫刻が施された柱や梁が目に飛び込み、一歩歩くごとに景色が変わる。一足ほどの間にすべてがあり、まさに蘇式園林の魅力を見せつけている。

東山陸巷古村では4月に入ると桃の花がベストシーズンを迎える。古村は山に寄り添うようにして広がっていて、莫厘峰を背にして太湖に面している。山影の一面にはたくさんの桃の木が植えられていて、高さ大きさまちまちの桃の木に花が咲き乱れている様は、この味わいある古村と相まって、格別の味わいが感じられる。