板橋宴

水郷の春はとても美しい。それは目に入るものだけではない。あなたのお口の幸せだってたっぷりと満たしてくれるのだ。この時期、さまざまな春の旬の味わいが興化の人々の食卓に上る。それはたとえば菜花昴刺、菜花蜆子、菜花鱖魚のように菜の花と繋がりがある河の新鮮な味わいであり、どれも垂涎ものの美味しさだ。
河で採れた新鮮な美味しさ以外にも、興化の人文的特色を備えた盛宴――板橋宴を体験してみるのもおすすめだ。鄭板橋とは古代興化の著名な文人であり書画家で、「詩書画三絶」として有名な人物である。その詩文美学と飲食観を押し進めることで生まれた板橋宴は、文化と格調を備えており、素材の鮮度にこだわり、味わい方は自然である。定番料理としては蘭竹石図、乱石舗街、板橋熗蝦、板橋豆腐などがある。心を込めて調理されたそれぞれの食材は、あっさりと新鮮な味わいで、なによりその見た目で目も心も喜ばせてくれる。
板橋宴ではそれぞれの季節が巡ってくるたびに違った味わいを口にすることもできる。季節に応じた旬の料理が板橋宴の彩りや香りを高めているのだ。たとえば、春には春巻き、春斑魚、萕菜春斑羹などを味わわないわけにはいかない。当地で採れたこれらの食材は水郷の春を舌に留めてくれるのだ。