徐州焼烤

焼烤(シャオカオ、中国風串焼き)と言えば、3つの省が交わる土地徐州は歴史上、悠久の焼烤文化を育んできた。徐州は中国焼烤の発祥地の一つとして公認されている。
徐州焼烤にとっていちばん重要な食材は現地のヤギだ。しっとりと柔らかく、生臭さがない。この土地の焼烤店はその日に潰したヤギを串ごと或いは斤(500グラム)当たりで販売しており、その場で注文を受けてから切り出し、串打ちし、焼くことにこだわっている。


串焼きにできないものはない。キャベツ、干し豆腐、サヤインゲンなど、それぞれに味わいがあり、「ぱっとしない」食材でも串焼きにすると驚きの味わいに仕上がる。またカキ、エビ、イカなど海鮮の自然な甘みと純粋さは焼烤界で不動の地位を保っている。


烙饃巻焼烤も徐州焼烤の風味を読み解くパスワードだ。この未発酵の白い小麦粉製品は紙のように薄く、柔らかくて噛み応えがあり、麦の香りが沁みる。いちばん定番の食べ方は焼き串から腎臓や肉を外して烙饃で包んで食べるというものだ。烙饃に包まれた肉は味わいよく、脂の濃厚さと調味料の刺激が包まれ、吸収される。一口噛むと、飽きの来ない脂の旨味と香りが口を満たす。徐州焼烤ならではのロマンとご対面だ。