江蘇の博物館巡りの旅、多種多様な文化体験

江蘇は、昔から優秀な人材を輩出してきた場所で、長い歴史と豊かな文化を持っている。これらの歴史文化を保護するため、江蘇の各市にはユニークな博物館が多く存在している。歴史から民俗文化、古風からモダンまで、博物館は人々の視野を広げ、歴史に対する深い理解の機会を与えてくれる。江蘇省はその優れた地理的条件と豊富な物産資源に恵まれている為、重厚な歴史文化と多くの優秀な人材を育んできた。

江蘇文化の歴史を深く理解したい方に、絶対オススメなのが多種多様な江蘇の博物館である。アート、民俗生活など様々な種類の博物館が江蘇には揃っているので、きっとお気に入りを見つけられるだろう。

中国唯一の地下式博物館——中国科挙博物館(江南貢院)

中国古代の学生達が考えていた人生の4つの目標のうち、1つは「金榜題名(トップ成績を取るという意味)」という科挙でトップを取ることで、貧しい学生は科挙を通じて官僚となるのが、唯一自分の才能を発揮する機会であった。

この博物館の元になったのは江南貢院と言う、中国歴史上規模最大の科挙試験会場で、またここは中国で唯一の地下博物館でもある。下から上への順路で見学、入館するとすぐに魚の鱗に似た瓦の外壁と書簡で埋め尽くされた内壁が目に入る。そして1300年の科挙歴史を象徴する坂道を通り、本館へ進めば、四書五経と呼ばれる壁があり、この四書五経は当時の学生の必須科目で、ここでは当時の学生達の受験の緊張感が未だに漂うのを感じられる。

博物館では科挙制度の歴史を展示や、先進技術で当時の受験会の再現した物など、科挙の歴史文化が面白く紹介されている。中国古代の教育体制と試験制度を深く理解するには最適の場所である。

場所:南京市秦淮区金陵路1号

素晴らしく魅力的な外観ーー蘇州博物館

蘇州博物館は蘇州の名高い庭園である拙政園のすぐ横にある、この二ヶ所を一緒に観光するには、半日は十分必要である。ここでは所蔵品の他に、蘇州博物館自体が建築芸術として非常に人気となっている。中華系建築家の貝聿銘氏の遺作で、建物の外観は周囲の環境に合わせ、黒、白、灰色を基調とし、幾何学な線が特徴的で、素朴かつ上品なデザインとなっている。

館内では出来るだけ自然光を利用するように設計され、文化財の美しさを最大限引き出している。博物館の窓のほとんどが六角形で、中国式設計の中で多く用いるこの形は巧みに上品さを表現しながら、額縁としての役割を兼ね備えており、六角形の窓から見える外の風景を美しい絵画にし、どの角度から見ても精巧で美しい風景を作り出している。貴重な文化財と素晴らしい建築物である蘇州博物館は蘇州観光では外せないスポットとなっている。

住所:蘇州市姑蘇区東北街202号

黒酢の香りに包まれーー鎮江の黒酢文化博物館

上記の文化的雰囲気の蘇州博物館を体験し後は、ユニークでリラックスした「工房」ーー鎮江黒酢文化博物館がおすすめ。

ここの黒酢は国内外でとても有名で鎮江市の名産品である。鎮江の黒酢は制作過程が非常に複雑で、全工程に70日間もの時間が必要で、その後6〜12ヶ月寝かせてからやっと出荷される。

ここは江南風の建物で、世界と中国の酢文化の起源と流派などが展示されており、また黒酢の制作過程の紹介や、黒酢制作体験も楽しめるようになっている。

ここで生産された黒酢は濃厚な味わいで、種類も豊富で、料理用や健康食品用、また黒酢の飴まで作られている。観光の後にはお土産や自分用の黒酢商品のショップを覗いてみよう。

住所:鎮江市丹徒新城恒顺大道60号

動・静が融合した民俗博物館ーー徐州民俗博物館

徐州民俗博物館は元々の戸部山古民家である余氏、翟氏両家の内庭を元に立てられたもので、明・清建築風の160軒もの古民家で構成され、中国北部の四合院の様な整然さと、南方民家の秀麗さも持ち合わせている。

館内には徐州当地の生活用具や民俗文化遺産などが展示され、またここでは多種多様なユニークな文化イベントもあり、プロの演出家によるユニークな劇曲や、伝統的な結婚式を再現した、古来式の上品な婚儀が、観客を魅了する。

多様なイベントは大人子供問わず人気があり、あなたをきっと満足させてくれるだろう。

住所:徐州市雲龍区戸部山崔家巷2号