ヘラジカの故郷における癒しの旅

江蘇省大豊麋鹿国家級自然保護区(中華麋鹿園)は塩城市黄海の浜にある湿地干潟に位置し、従来からヘラジカの生息地とされている。それに、世界唯一のヘラジカ文化を主題とした観光地でもあり、保護区内にあるヘラジカの数は世界中のヘラジカ全体のおよそ60%を占めている。

電教館へ入り、ヘラジカの数奇な物語を聞き

ヘラジカのみのために来たのではない人は、電教館を観光の始点にしても悪くない。7年間もかけて撮影されたスペシャル・叙景映画『ヘラジカの帰り』を通じ、ヘラジカの前世及び現世も余すことなく現す。

約300万年前から、ヘラジカは中国の長江、黄河の平原沼地に生息している。ヘラジカは人類に飼われてから、次第に皇権、吉祥と魔除けの象徴となっており、宗廟の祭祀にもよく用いられている。また、ヘラジカは「角は鹿、面は馬、蹄は牛、尻尾はろば」の外形が原因で「四不像」と呼ばれている。封神演義の姜子牙は神獣の四不像を乗っていると言う。

園地でそぞろ歩き、心を癒すヘラジカと出会う

遊覧車に乗って、ヘラジカとの出会いがここから本番に始まる。湿地の風景に伴い、ヘラジカの群が目の前に現れてくる。こちらは「金灘鹿鳴」と呼ばれる地域だ。半野生状態で育てられたヘラジカたちはこの地域でのんびりと遊んでいる。次に、人工飼育区に着く。ここでは、のうのうと贅沢な暮らしをしているヘラジカの子たちの姿が見られる。飼育員が毎日定食を持ってきますが、ヘラジカの子たちは、それに満足せずに、自ら園地で走り回して餌を捜している。ヘラジカがきたら、お手元の人参を惜しまないで、是非とも彼らたちと近距離的に遊んでみる。

幹線道路に沿って北に行くと、ヘラジカの「乾休所」が見られる。ここで暮らしているのは、ヘラジカの群の発展に大変貢献があったヘラジカの王だ。定年になった王様達をここに囲ませたのは、連続的な再任がもたらす群の遺伝子の単一性を防ぐためだ。

立ち止まって、鹿王争覇戦を見ましょう

ヘラジカの群には、厳密な階層制度があり、典型的な皇帝式の管理制度が行われている。ヘラジカの王は群のすべてを支配する権力と唯一の交尾権を有している。そのため、ヘラジカの王になるのは簡単ではない。

争覇戦では、成年になったオスのヘラジカたちは次々と挑戦者になり、力が尽きるまで、相手を倒すまで戦い合う。最後に勝者になったヘラジカは王になる。そして、新王は戦場から離れ、泥の池に踏み入れ、泥だらけまで体を泥で浴び、草の塊を角で拾い、勝者の伝統的な戴冠式を行う。それで、一見泥だらけのオスのヘラジカと見えるにもかかわらず、彼は鹿王争覇戦の挑戦者だったのかもしれない。

ここまで歩いてきて、いつの間にヘラジカの世界に陥ったと気がつき、なんと広い楽園だろうと感嘆する。ヘラジカパークの癒しの旅はここまで終わりますが、帰ってもヘラジカたちが園地で走り回して餌を捜したり遊びあったりした姿はまだ頭に浮かんでくるだろう。この意味深い旅を心に刻んでより良く生きていくように頑張りましょう。