東台:うま味の秘密

塩城東台は水郷と海港の二種類の文化を併せ持っている町。西の方は人の心を引く里下河水郷の風情で、東の方は、海港人家が漁家生活を送っている。発達している水路網と賑やかな漁港は、東台に多種多様で、新鮮な食材を齎してくれる。各種の海鮮・水産は大自然のうま味をもって、人々を驚嘆させる。

魚湯面/一杯の面の伝説

東台の優れている水質と自然環境が野生のフナに打ってつけの生息環境を提供した。これによって、東台で200年以上も伝承される伝統的な美食、魚湯面が生まれた。話によると、この面は清の乾隆年間で、落ちつぶれて民間に放浪した宮廷御膳調理師によって造り出されたものだという。現在では、この面は既に海外にも名を馳せるようになっていて、また代々この土地で暮らす人々の共通する味覚記憶にもなっている。

東台魚湯面が非常にうまいコツはその魚スープにある。豚油で野生のフナを揚げた後、タウナギの骨と豚骨と一緒に煮込んで、干しエビ卵を入れたら、乳白色の濃いスープが出来上がる。面をつけたら、面自体の香りに魚スープのうま味を加えて、口に入ると滑らかでありながらコクもあって、そのうま味が心底まで浸み込む。

魚湯面に大量のカルシウム、鉄やリン等の物質が含まれているから、よく食べると脾臓を温め、胃を強靭にする効果がある。だから、民間では、よく「魚湯面一杯食べて、老寿星のように長生きする」と伝われる。「一杯食べると、三年も忘れない」。東台魚湯面はその伝説の美味しさで人々の心を捉えた。東台に来ると、必ず一杯を食べないといけないね。

ハマグリ/天下第一鮮

黄海に臨む東台弶港は有名な漁港小町である。ここに来ると、思う存分海の味を満喫し、海鮮のうま味を味わえる。特に「天下第一鮮」と謳われるハマグリは、とうに昔から東台弶港の名物の一つだと知られている。その殻の模様が綺麗で、肉が透き通っていて柔らかく、炒めたり、煮込んだり、酒で漬けたり、ソースや餅作りに使ったりして、色んな料理ができる。

弶港では、ハマグリは一年中採れるが、やはり毎年旧暦の七八月が採るに一番いい時期となる。裸足で潮が下げた後の砂浜に来て、柔らかい砂地を踏むだけで、ハマグリを砂の中から押し出せる。このような採り方もまたそれなりに楽しい。

ハマグリ以外も、弶港では多種多様な海鮮がある。ここで贅沢な弶港海鮮宴を満喫できる。マナガツオ、サワラ、スズキ、太刀魚、ウナギ、タイショウエビ、跳鬼蝦、オキシジミ、マテガイ、ワタリガニ…数えきれないほど沢山の種類の海鮮を思い切って満喫できる。美食を味わった後、海辺に行って潮干狩りをし、干潟が潮汐によって千変万化するのを見て、まるで油絵のように魅了される。

黄海の海辺に位置する南通呂四漁港と「山海伝説」と言われる連雲港連島も同じく海に恵まれている町で、海鮮類が非常に豊富である。これらの町の間では、「鮮」のうま味が既に共通する味になっている。