南京の冬は寒いなかに湿度があり、あまり心地よいとは言えないが、素晴らしい冬景色と大自然の景色、歴史的建物などの冬の表情は見応えがある。また、南京には温泉や昔ながらのお菓子等があるので、冬の寒さを乗り越えられる時代の暖かを感じることが出来る。
鐘山に舞い落ちる雪
南京はさほど雪が降らない都市であり、雪が降ってもすぐ溶けてしまう。山林の中に舞い落ちる雪が良い雰囲気を醸し出している。
・中山陵の厳かさ
冬の薄雪は中山陵を厳かな雰囲気へと変える。中山陵は中国近代の偉大なる民主革命家の孫中山氏が眠る御陵で、紫金山南麓の樹林に位置する。階段を上っていくと、厳かな気分になる。頂上に登り、孫氏の石像を一周し、かつて中華民国だったこの都市の雰囲気を感じてみよう。
・明孝陵の清らかさ
薄雪のおかげで、明孝陵の神道、御陵の建物はさらに清らかさを増す。観光客も多くはなく、広くて静寂がある。明孝陵神道の両側には神獣や文武象の石像があり、神道へ沿って前へ進むと、赤壁と黒瓦の四方城が冬の寒さの中で神聖なる雰囲気を出している。
・民国風の美齢宮
美齢宮は前国民政府主席の蒋介石氏の南京における官邸。蒋介石夫人の宋美齢氏は決まってここで礼拝していた事から、“美齢宫”と名前が付いた。美齢宫は3階建て宫殿式の建物で、天井には緑の瑠璃瓦が飾られている。軒先きの瑠璃瓦には1000以上の鳳凰が彫刻しており、とても贅沢な造りで内部装飾も極めて豪華。
温泉の旅
冬は散歩しながら景色を眺め、温泉であったまりリラックスすることが出来る。
湯山温泉は南京市江寧区湯山街道に位置し、世界的にも有名な温泉スパエリアで、中国四大温泉スパエリアのトップでもある。中国で唯一ヨーロッパ、日本の両方から水質認証を得ている温泉で、“千年の聖湯、静養楽園”と呼ばれている。
湯山の“温泉”は1500年以上の歴史があり、南朝時代以来、高官や貴族、文人墨客がこの湯を楽しんだと言われている。南北朝の蕭梁時代には、皇帝より“聖泉”とも呼ばれていた。民国時代、国民政府主席の蒋介石氏もこの場所み温泉別荘を建て、現在は観光名所として公開されている。
・湯山温泉の体験
南京の冬は寒いが、自然は暖かさも与えている——南京湯山温泉の一日の出水量は千トンに達し、水温は55℃-60℃で、水質は良く、カルシウム、マグネシウム、硫黄など30余りのミネラル成分が含まれており、微量のラドンフッ素等の放射性元素も入っているので、正式名称は“ラドン含有硫酸塩中温カルシウムマグネシウム泉”という。健康に良く、病気を直してくれる効果がある。中国の医薬界からも“全国湯治温泉”の一つと呼ばれている。
湯山では温泉以外にも夕日の山林でのサイクリングや、近くの農家で新鮮なイチゴ狩りしながら田園気分を味わえたり、冬の自然料理体験、スパリゾートでタイ式spa等があり体験し、冬を楽しみながらリラックスすることが出来る。
秦淮灯会
“秦淮灯会”は冬の終わり頃、早春に行われる一番賑やかな祭。元宵節の日に夫子庙観光エリアや老東門観光エリアは提灯などの飾付けが溢れ、人が集まり賑やかになる。元宵節当日を除くと、彩りどりな提灯は三月末まで飾られており、その間の秦淮河ナイトクルージングは特におすすめ。夜の秦淮河クルージングは内秦淮河や外秦淮河コースに分かれていて、内秦淮河コースでは両側の楼台の軒先に赤い提灯が風と共に揺れ、京劇の音楽流れ、まるで違う時代にいるような雰囲気を味わえる。外秦淮河コースはそれに比べると割と静かなコースで、波の音を聞きながら遊覧船のデッキで月や灯火を鑑賞する。提灯の明かりの中に映る古城の雰囲気はまた格別である。
特筆すべき事は、秦淮河両側に飾る花ランタンはすべて南京のランタン手芸人による手づくり作品で、毎年の祭りが終わる頃には翌年で使う花ランタンのデザインを手がけはじめる。一つ一つ出来上がると倉庫の中で保管し、翌年のテーマごとに装飾する。“秦淮灯会”花ランタンのテーマの多くは生活の安泰の願いや、その年の干支がテーマになっている。
・心も身体も温まるスイーツ
冬の季節に南京で観光する際、賑やかなお店で暖かいスイーツを食べれば、胃も心も暖かくなること間違い無し。
・金木犀風味の芋スイーツ
滑らかな芋のあっさり、香りがよく甘くて柔らかい。スープは鮮やかな赤で、金木犀の濃厚な香りで食後でも口の中に香りが残る。新鮮な芋を使用し、熟成した後に皮を剥く、特製のキンモクセイのソースを加え、大きな鍋の中でゆっくり煮込む。その際、少しソーダを入れる事で芋煮が赤くなり、食欲誘う色になる。
・酒醸元宵
酒醸は蒸した糯米に酒加え、発酵させた甘酒のような物。小元宵は小指サイズの白玉と、酒醸を一緒に煮込むことで酒醸の味が更に甘く香淳になり、団子モチモチと組み合わせた食感がたまらない。
・梅花糕（梅の花の形したオヤツ）
梅花糕はアツアツで、柔らかい餡の小さい団子、ナッツなどの色々な物をくわえることができ、楽しい食感が味わえる。
