山に水、花に葉、長い年月に隠れている景色は、この秋、連雲港の花果山で美しく現れる。
この地は「大聖（孫悟空）の故郷」と呼ばれている。ここの秋は天が洗われたように清らかで、山が絵のように綺麗である。目が奪われるほど鮮やかな赤色になるナンキンハゼ、立派で壮美な黄櫨、槭、五角楓は、鮮やかな雲霞のようであったり、洒落た姿であったりしている。山という山は秋の色に染まり、木という木から秋の声を聞こえ、思わずこの優しい雰囲気に心が溶け込んでしまう。深緑、薄紅、明黄、褐色など、色の配合ははっきりして、画家の筆で描くことのできない鮮やかさと静寂さが広がる。
時はいつも優しくて気前がいい、この山一面に広がる鮮やかさは、歳月の喜びであり、その気前の良さの証拠でもあろう。この美しくて人を酔わせるような深秋に、日頃の悩みことも水に流れ、風と共に去っていくだろう。
山に広がる緑と金色のハーモニーを感じ、この歳月からのプレゼントを無駄にすることができないと思うことだろう。「大聖湖」の夜風に当たったり、「迎曙亭」の日の入りと「玉女峯」の晚霞を眺めたり、「三元宮」で祈ったり、「水簾洞」であの名作のシーンを思い出したりしてもよいだろう。
