大公開!「長寿の都」南通の健康保養の秘密

南通、江蘇省南東部に位置するこの街は、中国で平均寿命が高い街の一つだ。平均寿命は80歳を超え、世界初の「世界長寿の街」という称号も得ている。そんな南通人の長寿には、いったいどのような秘訣があるのだろうか。今回は一緒に探ってみよう!

長寿の秘訣はこれを食べることらしい

俚諺いわく「山の人々の食は山を頼みとし、海の人々の食は海を頼みとする」。その土地と食は切っても切り離せないということだ。南通の人々の長寿の秘密も、地理的環境や飲食習慣と大きな関係がある。南通は長江、東シナ海、黄海が交わるところに位置している。なので、現地の人々の毎日の食卓には海や河の幸が少なくない。さらに、南通の食べ物の多くは主に「蒸す」「煮込む」「水煮にする」という調理方法で作られている。これが知らず知らずのうちに南通の人々の健康保養と長寿の秘訣となっているのだ。

南通の滋養・養生の特色グルメと言えば、きっと真っ先に挙げられるのは海鮮だろう。南通で豊富に生産されるハマグリ(文蛤)はいちばん上等な貝類で、柔らかな肉質と新鮮な味わいで「天下一の旨さ」という高い名声を誇っている。南通でハマグリを食べるなら、「鉄板文蛤」を食べないわけにはいかない。白くて柔らかなハマグリの身を殻から外し、鉄板に敷かれたアルミホイルの上に乗せ、強火でさっと炒め焼きにする。すると、表面のたんぱく質がさっと凝固し、肉汁が閉じ込められ、ハマグリの身が新鮮でみずみずしく、ふっくらジューシーに仕上がるのだ。

南通を訪れたなら、おいしいフグも見逃せない一品だ。「フグの郷」として遠くまでその名が知れ渡っている南通海安市は、世界最大のフグの養殖地でもある。醤油などで煮込んだ「紅焼河豚」は南通らしさが非常に溢れる料理だ。調理されたフグ肉はきめ細かで柔らかく、煮汁は濃厚で、口に入れるとまるでさっと吹き渡る春風のように味蕾を刺激する。その味わいは「この世の絶品」とも言うべきものだ。

南通如東県で「海鮮のトップ」とも称されるマテガイ(竹蟶)。現地の名物料理は「煨竹蟶」だ。オオマテガイの干物を水で戻し、ハマグリ、千切りハム、千切り大根と一緒にとろ火で煮込むと、クリーム色で、旨味たっぷり、爽やかな口当たりと濃厚な香りが嬉しい一品の完成だ。また、冬には胃も心も温まる熱々のマテガイの吸い物を一碗飲んで、絶妙な美味しさを楽しむこともできる。

海鮮の盛宴をチェックしたあとは、現地の特色料理を見てみよう。「清炖狼山鶏」(別名「原燜狼山鳥」)は南通地方の定番食材である特産狼山鶏を原料とした名物料理だ。皮が薄く、肉のきめが細かい狼山鶏をとろ火で約2時間ぐらい煮ると、鍋底が見えるほど澄み切ったスープの完成である。肉はほろっと柔らかく、濃厚で、味よし香りよし、口の中に味わいが留まり続ける一品だ。

南通の人々は羊を食べる伝統を持っていて、海門区で生産される美味しい海門羊肉は南通の地理表示性特産品になっている。他所の羊の調理法と違い、海門羊肉の味付けは伝統的に醤油煮だ。多めの油と濃いめの味付けで、皮や肉が柔らかくなるまで辛抱強く弱火でコトコトと煮込む。すると、たっぷりとしたゼラチン質で唇に粘り気を感じるぐらいのこってりスープの完成だ。一口飲めば口中に香りが広がり、後味が長くとどまり続ける、そんな料理である。

「黒塌菜粉絲」は南通の定番家庭料理で、冬の南通人の舌に欠かせない一品だ。タアサイ(黒塌菜)の味わいは甘くで、香り爽やかで食感がよい。その香りはスープにも染み出し、非常に美味である。そこに柔らかく似た粉絲(春雨)を合わせると、二種類の食感が同居し、噛めば噛むほど美味しさが増す。冬の日に嬉しい、心温まる一品だ。

もし南通の特産品をお土産に持って帰りたいなら、「白蒲茶干」を選ぶといいだろう。白蒲茶干(正式名称は白蒲茶干「三香斋」茶干)は、長いあいだ高評価の、江蘇省南通伝統の味わいを持った“小喫”(軽食やおやつ)で、300年あまりの歴史を持つ。より抜きの良質の大豆を使い、たくさんの種類の香料を精製して作られる白蒲茶干は、香りすがすがしく、味もよい。弾力ある食感で、形状は薄く四角く、色合いは美しい。そして栄養も極めて豊富に含まれているのだ。