美詩美食で胃も心も喜ばそう――味わいある揚州2日の旅

味わいある揚州2日の旅。この旅では古代の名士文人のロマンに思いを馳せ、園林の趣や古い町並みに生まれる新たなトレンドを楽しみ、温泉の極楽を体験してみよう。鎮国寺で古代建築の美を読み解いたあと、汪氏家宴を味わい、茨菇咸菜豆腐(ツゥグゥシィエンツァイドウフ)のスープのなかで巨匠との良き出会いを果たすのもいい。詩や文章に心を動かし、グルメや精緻な菓子で胃を満たそうではないか。

揚州早茶

DAY 1 個園―東関街―痩西湖温泉

 1日目は揚州の風景に浸りながら生活のペースを緩めよう。午前は中国四大名園の一つ個園に行って、笋石、湖石、黄石、宜石を積み重ねて作られた匠の心宿る春夏秋冬四季の築山を見よう。そのあとは東関街に足を運ぼう。賑わいながらも味わいを失わないこの古い町並みは熱気むんむんで活気にあふれている。ここには穀物商、油売り、鮮魚店、八百屋、果物売、竹屋木工など百近い店が並んでおり、揚州包子(バオズ)、牛肉湯(ニュウロウタン)、タウナギを使った長魚麺(チャンユィミィエン)など本場揚州の味わいグルメもある。午後は痩西湖温泉を体験し、都市の喧噪と疲れを洗い流し、のんびりとスローライフを満喫しよう。

 

個園

東関街

痩西湖温泉

DAY 2 鎮国寺―汪曾祺記念館

2日目の午前は車を走らせ鎮国寺に向かい、「南方の大雁塔」の秘密を尋ねよう。鎮国寺のある高邮は小さな町だが、才子を輩出した土地だ。名勝文游台は秦観、蘇軾などの著名人が風雅に集った場所であるが、その千年後にこの地に生まれた汪曾祺はその優れた文才で故郷の美食を綴っている。午後はその文游台景区で汪曾祺記念館を訪れ、彼の故郷に対する「汪溢する思い」を感じてみよう。

鎮国寺夜景

汪曾祺記念館

古より今に至るまで、揚州の人々の生活は常にことのほか人々に羨望の念を抱かせるものだった。その心地よさは揚州の気骨に刻まれているのだ。もし時間に余裕があれば、揚州でしばらくの間滞在してみてはどうだろう。そして暇さえあれば食べ歩きをして温泉に浸かり、「朝は早茶を飲み、夜は温泉に入る」と言われる揚州の生活スタイルを味わおう。きっと思わず「よきかなよきかな」と口にしてしまうはずだ。