船で秦淮河を行き、五感に浸透する「無形文化遺産の旅」に出よう

もし古い町並みや古鎮のなかを川が流れているのなら、船に乗り、起伏する波に揺られて両岸の月光に浸ってみるといい。その土地の風土に根付いた「生活感」を十分に浸りながら会得できることだろう。目の休まる暇もない金陵の勝景と、豊富な無形文化遺産項目の完璧な融合によって、秦淮の「活気」をカバーする――五感に染み入る旅行体験が今、ゆっくりと幕を上げる。

夜の暗闇のなか、秦淮沿岸に設けられたランタンのセットから色とりどりの明かりが溢れる。月と飾り提灯が共に引き立て合い、清らかな月光とランタンの眩い光が溶け合う様子は、まるで蛍の海だ。


両岸に佇む酒肆茶坊のなかの奇芳閣、永和園酒楼には、各級無形文化遺産リストに登録されているさまざまな小喫があり、活気を集めている。一口食べると歴史の一幕が蘇ってくる、そんなひとつひとつの食べ物の細かさのなかに、賑わいある暮らしをのんびりと体感できるはずだ。

 

昼は秦淮非遺館(江蘇省内最大の無形文化遺産総合体験センター)で、無形文化遺産伝承人の指導のもと、南京の無形遺産項目である雨花茶、美食、手工芸、南京皮影などを体験して、万人に喜ばれる風趣につつまれながら無形文化遺産の魅力を感じよう。夜は南京市非遺文創展示中心に足を運び、南京雲錦、金陵金箔、南京絨花など数多くの無形文化遺産元素を融合させた非遺文創品を家に持ち帰ろう。

ランタンを眺める、白局を聴く、秦淮の小喫を味わう……そのどれもが悠久の歴史を持つ各種無形文化遺産項目である。秦淮河に架かる大小さまざまな橋、両岸に並ぶ古建築がもたらす「景色と雰囲気の加勢」の間で触れる音、眺め、香り、味わい、手触り、そしてさまざまな審美感は、私たちの内なる心へと直接働きかけてくる。そっと吹く春風にうっとりする秦淮の夜は、金陵の生活の「雅韻美学」を染め上げるのだ。