東台髪繍

東台髪繍の起源は今から1300年以上前の唐の時代に遡り、東台市の特産品だった。髪繍とは人間の髪を材料とし、一定の図面と方法で布帛上に作る工芸品のことを指す。その素材は一風変わっていて、腐食と虫害に強く、しっかりとした質感で、永遠に色褪せないなどの特徴を有し、「天下の絶品」と称されている。

髪は命の一部とされており、人の精神を反映している。髪製品を贈答品にするのは送り先への最高の敬意を表すことになる。髪繍は最初、仏教への敬意を示すものであったが、元や明の時代にはその意味が徐々に広がっていって、今日の東台髪繍には、古代や現代の人物、山水楼閣、鳥類、獣類に至るまであらゆるものが含まれている。その作り方も単一的な「墨繍」から今の「潤色繍」「双面繍」「双面異色繍」に発展し、作品の観賞的価値と魅力が高まり、世界文化交流活動で異彩を放つことも多く、今では中国の無形文化財として登録されている。