NHKと旅行会社大手JTB、HISとがタッグ!江蘇観光の新体験を始めよう!

2022-10-10

真夏の江蘇塩城にある麋鹿(ビロク)保護区では、鹿の王座を争う激しい「戦い」がまもなく終わりを迎える。勝者は鹿の王として群れをなすメス鹿たちを自分のものにすることができる。早朝、太陽は雲から顔を覗かせ、この鹿の王の家族団欒の様子を見守っている。

  この話はあるカメラマンによるものである。麋鹿には「四不像」(シフゾウ)という別称がある。それは、外形的に鹿の角、馬の顔、牛の蹄、ロバの尻尾に似たパーツがあるものの、どれにも当てはならないことから付けられた名である。この変わった動物にはこれまで約三百万年の歴史があり、長江流域や沿海地域に広範囲に生息していた。しかし、気候の変動や人類活動の影響を受け、野生の麋鹿は数が減少し、18世紀末に北京で生息していた最後の数十匹の麋鹿も時勢の波寄で海外に運ばれた。1986年、39匹の麋鹿はついにイギリスから故郷に戻ることができ、塩城の大豊で生活することになった。数十年経ち、自然湿地への保護や麋鹿に対する救助・繁殖補助などを通し、2022年、塩城保護区に生息している麋鹿の数は7000匹を突破し、世界最大規模の野生の麋鹿の群れ・遺伝子プールを実現している。

 このような希少な生物種、美しい湿地、驚くべき成果は多くの観光者の目を惹きつけている。7月、中央電視台CCTVの『書籍に導かれた旅をする』という番組はここが舞台となっている。また近頃、江蘇観光(日本)プロモーションセンターはNHKと協力して『塩城市・奇妙な動物の街』というテーマ番組を企画し、NHKの『中国語!ナビ』にて同時配信して、江蘇省塩城市の広大な自然生態や麋鹿、丹頂など珍しい動物を日本の視聴者に紹介し、大きな反響を呼んだ。視聴者はテレビのスクリーンを通して、麋鹿の原始的な特徴やオス鹿の「王座争奪戦」という自然の奇観を「至近距離」で目にすることができた。パノラマ撮影によって視聴者をまるで現場にいる心地にさせ、世界遺産としての黄海湿地の生命力の美しさをより良く届けた。

  今回の連携は江蘇観光(日本)プロモーションセンターの新しい試みである。コロナによる海外観光への影響に対応するには、観光推進のやり方を変える必要があるだけでなく、より高品質なPR製品も求められている。今年に入り、世界の感染状況は落ち着きつつあり、各国では自国の状況に基づいた観光業の回復の動きも見られている。国は封鎖した状況が開かれるのに備え、いかに迅速に海外観光客を招致できるかが問われている。

 日本の観光業界の二大「老舗」である大手のJTBとHISは上海に支店を抱えている。コロナの影響で、今まで定番であった中国の観光コースには大規模の観光団どころか、小規模観光グループすらもその姿をほとんど見せなくなった。長距離の観光コースもよく突発的な感染でキャンセルを余儀なくさせられた。江蘇省は、昔から日本人観光客を招く重要な観光とビジネスの目的地である。今年より、江蘇観光(日本)プロモーションセンターは江蘇省文化観光庁の指導の下で、各地の関係各所と協力し、観光の宣伝や推進に積極的に取り組んでいる。また、JTBとHISとは現場に何度も足を運び、文化観光産業の検討会で新しい観光プログラムを開発するための見解を交わしてきた。その成果としては、中国常駐の日本人の年齢、職業、駐在期間など条件を考慮した上で、江蘇省のテーマ観光コース22本を開発することができた。

三国は、日本人が興味を持つ中国の歴史・文化である。

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 この中学二年生のようなワクワク感溢れる二つのタイトルを見るだけでも、日本の観光業者はどれほど中国史に詳しいかわかるだろう。観光コースには著名な劉邦、項羽、英雄と美酒の物語があれば、漢王朝の兵馬俑や絵石など文化財の鑑賞もある。さらには、呉越の争いで有名な臥薪嘗胆、范蠡と西施が太湖に船を浮かべるなど歴史に対する解析もあり、もちろん、孫子兵法の技も興味深い。また、特別に4月と9月に仕事で蘇州や上海に初転勤した日本人により早く蘇州を知り、蘇州に親しみを感じてもらうようにサポートする。その他、南京で中国人の独自の力により建設された長江大橋を歩いてみるのもいいだろう。梅園新村にて周恩来を、中山陵にて孫中山のことを考えてみるのは旅行会社の新たな道を切り開いたことを意味する観光コースである。同時に、テーマの異なるオーダーメイドツアー(団員10名)も考案され、誠意を込めて、日本の観光客を招いている。世界最大の恐竜テーマパーク(常州市)で遊んだり、漢王朝の宝蔵(徐州)へ探検したり、蘇州の拙政園で文徴明先生が植えた百歳を超えた藤を鑑賞したり、恵山古鎮の600歳超えた銀杏の下で金色の葉っぱを拾ってしおりにしたり、日本奈良に負けない桜の鑑賞スポット「鼋頭渚(無錫)」で『秒速5センチメートル』に出た名シーンのような一枚を撮るのもいいだろう。

有名な俳人である小林一茶には「花の陰赤の他人はなかりけり」という句を詠み、中国の文化名人である孔子は「有朋自遠方来、不亦楽乎(朋有り遠方より来たる)」と言った。コロナの感染状況の改善やワクチン接種の普及に伴い、人々の旅行欲は日に日に高まっている。日本のメディアの報道によると、近い将来、海外観光者の入国制限は更に緩和される。具体的には、1日当たりの入国者数上限の撤廃、ビザや外国人の個人旅行に関する制限の緩和で、日本政府は10月から11月にかける秋と冬の観光シーズンを迎える前に、入国に関する新しい決定を発表するという。

アフターコロナ時代にある観光産業は今まで以上に連携を強化すべきだろう。我々はより充実した内容や実行しやすい方法を用いて、日本の観光客を呼び戻すことを後押しする。観光と地域文化をより深いレベルで結びつけ、「観光+」という多次元の繁盛を手に入れるために、より趣のあるやり方で新しい時代の文化と観光産業を海外市場に効果的に推進する。