18組(点)の徐州漢代文物が数か国の巡覧展に

2023-09-01

先日、『人民日報』に「“不朽の玉甲――中国漢代文物逸品展”に足を運ぶ」という記事が載った。この記事は現在ハンガリーで開催中の文物展覧について報じ、徐州博物館が提供した漢代の文物数点を紹介している。

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出展会場

2023年は「一帯一路」共同建設が提議されて10周年になる。この提議に最初に加入したヨーロッパの国となるハンガリーのセゲド市モーラ・フェレンツ博物館で6月24日、上海博物館、徐州博物館、成都文物考古研究院の連合で組織された「不朽の玉甲――中国漢代文物逸品展」が開幕、当日は引きつけられて集まった一万人近い来場者が参観した。展示は今年年末まで続き、また複数の国で展示されることになっている。

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出展会場

「不朽の玉甲――中国漢代文物逸品展」において徐州博物館は金縷玉衣、玉枕、玉の仮面を含む18組(点)の漢代文物を厳選して出展した。今回の発掘で出土した玉器は素材に優れた、工芸卓抜な、漢代諸侯の王権と地位を描写するものだ。なかでも虎の頭をかたどった玉の獣首は獅子山楚王陵から出土し、品質上等な新疆和田青白玉で作られている。この玉の彫刻品は楚王玉枕の両端部品にあたる。その素材と工芸は同じ陵墓から出土した他の玉枕と比べると明らかに優れており、漢代における葬儀用玉器の位の違いを反映している。

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徐州博物館内の展示

関係史料の記述によると、古代ハンガリーの草原遊牧民族が最も好んだ動物の一つは虎であるが、これはハンガリーの文物にも体現されており、強者に対する草原民俗の崇拝と尊敬を表現している。虎柄の装飾文様は一部の学者からは虎噬動物紋と呼ばれ、商(殷)代晩期から両漢の時期にかけて多く見られるもので、獅子山楚王陵から出土した金帯扣には虎の形をした装飾画が施されている。学者たちは虎の装飾はユーラシア草原遊牧民の移動に伴って伝播してきたと考えている。異なる地区の文明交流相互参考の生きた証だといえるだろう。

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博物館は人類の文明を保護・継承する重要な殿堂であり、文明交流相互参考の重要なプラットフォームである。近年来、徐州博物館は「壁のない開かれた運営」という理念を堅持し、「漢風新韻を奏で、徐州の故事を語る」を大筋として、多項目の優れた出張展覧を相次いで行い、徐州漢文化の国際的影響力と伝播力を強化している。また、徐州博物館はカナダ・トロント、アメリカ・シカゴなどの都市への徐州漢代逸品文物出張展覧を積極的に推し進めており、文物を担い手として中国の物語りを語ることでグローバルな文化版図における中華文化の深さと広さを向上させている。