連雲港「楓」と秋の浪漫デート

秋は山など高所から紅葉を眺める最高の絶景鑑賞タイミングで、かの有名な南京の棲霞山の紅葉と並んで、連雲港にも宿城楓樹湾という絶景紅葉鑑賞スポットがある。

楓樹湾は連雲港の海上雲台山景区にあり「江蘇山水画廊」とも呼ばれ、著名な紅葉鑑賞地の一つとなっている。

楓葉満ちる秋山

連雲港宿城は連雲港で最も有名な観光地である海上雲台山風景区に位置し、楓が多い宿城の中でこの湾景区が最も楓の集中している場所となっている。

楓樹湾は500ムーもの広大な楓の原生林に因んで付けられた名前で、小道や渓谷等いたる所に重なり合うように密集した楓が6,7キロ広がっている 夏は濃い緑の森をつくり、秋には満山の紅雲が広がる中国でも珍しい楓樹林の一つである。

楓樹湾は古来より風光明媚な場所として、文人墨客が山水と戯れ、歌を読み、絵を書き残し、紅葉の山野に魅了されてきた。

現在でも11月〜12月に「楓樹節」が催され、多くのアウトドアや登山好きの人々が紅葉を鑑賞しようと訪れ、記念撮影を行う。

満開の紅葉を、みんなで楽しみ、山野を散歩すれば、様々な深さの紅の楓の葉が楓樹湾に一片の紅色の幻想世界を作り出す。

楓林の伝説

紅い楓に加え、楓樹湾内には深い密林や、奇岩怪石があり「怪石」には常に神秘的な伝説が付きまとう。楓林の中を少し歩くと、高さ2m、直径は数mの巨石が横たわり、表面は磨かれたように滑らかで周りは深い緑に覆われ「楓仙の禅聞き」と呼ばれている。伝説ではその昔、雲台山に紅衣をまとった楓樹仙人がおり、暇な時はこの大きな岩の上に座り込み、岩で剣を研いでいたので、その音が近くの河のせせらぎと混じり、まるで禅音のように聞こえた事から「楓仙の禅聞き」という名前が付けられた、別名を磨剣石とも呼ばれる。

紅葉観光コース

楓樹湾ではどのコースで周れれば、最も美しい紅葉を鑑賞出来るのか、観光に来た人が気になる所。以下におすすめの紅葉鑑賞ルートをご紹介します。

満山の紅葉を鑑賞するだけではなく、森林を染め尽くした紅葉を味わい、その周辺の観光スポットを見学することが出来る。紅葉鑑賞の旅を更に楽しむことが出来るだろう。

楓樹湾から法起寺

楓樹湾の正門から右側の渓谷に沿って川の上に向かい、途中で竜潭、白象戯水そして烏龍潭瀑布まで、両側の楓は澄み切った淵の水に映り込み、色鮮やかな世界を作っている。落葉は多彩で、山全体に敷き詰められ、楓と山水が互いに引き立てあい、素晴らしい光景を作り出している。烏龍潭瀑布から遊歩道に沿って5分ほど歩けば、雄大な法起文化園が目の前にある。ここでは足を止めて、紅葉の海を見物する事が出来る。また、ここの法起文化園自体も身近頃が沢山あり、天王殿広場、大雄宝殿、魁星閣、薬師殿など、軒の曲壇が壮麗で雄大。

唐王湖から万寿谷

楓樹湾内の唐王湖の入り口から出発して、険しく雄奇な臥牛嶺を経て、親水桟道に沿って引き続き前に進めば、保車山の美しい景色が目に入る。岸を挟んだ木々は青々と茂り、楓の紅と柳の緑が混じり、青水の青山に溶け込み、一体となり、自然が作り上げた盆栽のように、美しい景色を作り出している。鑑賞し終わった後は、車で山に沿って歩いて数分の万寿谷に移動し、万寿谷は万寿山によって有名になった場所で、1本の2km続く長い峡谷で、谷間は断崖絶壁、長流の碧水、そして福寿橋、猿頭石、仏光崖などの自然景観が揃っている。青山、碧水、桟道、古木、奇花が美しい風景線を構成している。

「山は楓樹多く、秋の霜が老いを染み込ませ、紅葉は林を満たす」

という古書の中に描かれたこの楓樹湾の美景は、大自然の贈り物であり、連雲港「楓」と秋の浪漫デートである。