秋の旅行記、徐州雲龍湖訪問

前書き:

さわやかな秋の日は気温も丁度良く、景色もひっそりと彩り豊かになってきた。そんな詩情あふれる季節には、心地よい秋の行楽はもちろん欠かせない。湖の青い波と清影を鑑賞して、幾重の森は隅々まで染められていることを見て、心身を山水の間に置いて、悠々自適になる。風景に物語があれば、もっといい。このような秋の行楽体験は徐州雲龍湖で見つけられる。

本文

東が雲龍山に寄り添い、西が韓山、天斉山と隣り合わせ、南が泉山、珠山に凭れる雲龍湖景勝地はまるで一個の翡翠の宝石のように、徐州の南に嵌め込まれている。三方の青い山が緑色を重ねながら延々と続き、きらきら光っている湖の波が一望のもとに見渡せる。山水が互いに寄り添う雲龍湖景勝地によって、徐州という漢文化の町は重厚な歴史的薀蓄に、優しい趣が付け加えられた。綺麗な湖岸、波に横たわる長橋、古塔の美しい姿に爽やかな水景、変化に富む嵐影湖光が人々を魅了する。それに、二千年以上の漢文化が雲龍湖景勝地に歴史的・文化的な光を輝かせる。

観賞・最も美しい城中湖/雲龍湖

東と西の両方は涼亭や台榭の点在する山々が起伏し、北の方は近代化都市の街並み、南の方は上がり下がりして連なる泉山、徐州の山水の精がここに集まり、雲龍湖を徐州の最も美しい城中湖にした。雲龍湖は四季折々の眺めを持っていて、特に秋の景色が一番心を動かす。小南湖を歩み、湖風を感じ取る。蘇公塔は年輩の長者のように湖畔に佇んで、その影を水面に映らせる。塔頂に登ると、湖の全景を俯瞰できる。湖水が青く澄んでいて、水面に波が立つ。時々やってきて鳴きながら遊ぶ水鳥も目を引く。

玉帯のような湖中の小道を散策しながら、水に囲まれる快さを存分に楽しめる。秋の日の思いが、まるでこの湖水に溶け込んだように、心の中から無限の詩情が溢れる。更に遠い所の湖水が秀逸な峰々に引き立たされて、より一層しなやかで美しく見える。秋の雲龍山は、炎のような紅葉が数キローも続く。幾重の森が染められる山の眺めともやの立ち込めた水面は千変万化の景色を構成する。

秋になると、湖畔に位置する秋韻園の景色もかなり見所がある。ここには、秋景観賞に相応しい高木や灌木が植えられている。赤のナンキンハゼ、金色のイチョウ、炎のような楓、咲き誇るフヨウ等々…花と水とが互いに引き立てあって、多彩な秋の雲龍湖を飾っている。

探求・漢文化/漢画像石芸術館、劉備泉

雲龍湖の東岸を巡って、漢画像石館、漢墓、劉備泉、季子掛剣台、蘇公塔や蘇軾文化遊覧区等沢山の文化遺跡が真珠のように並んでいて、雲龍湖に特別な人文風情を与えている。物静かな遺跡を回り、先人の足跡を追って、徐州に深く焼き付ける漢文化の烙印を探すのも楽しい。

雲龍山の西麓にある漢画像石芸術館では、「漢代三絶」の一つと謳われる漢代画像石が見られる。漢画像石芸術館の全体を見ると、三重の院落が廊下で繋がっていて、漢・唐風の建物が驚嘆に値する。館内に漢画像石が1500点以上収蔵されている。これらの画像石は、テーマが豊富で、内容も神話伝説、歴史物語、民族生活等に亙って多彩で、生き生きとして漢代の歴史を語っている。

雲龍山の西山門から階段を登ると、「劉備泉」にたどり着く。泉水が大きな石壁の上からゆっくりと石潭に流れ込む。潭水が清らかで、周りの景色も美しくて静かだ。泉水の更に泉水の上流に進むと、「三譲亭」がある。三国時代に、陶謙が三度も劉備に徐州を譲り、徐州牧の座を彼に引き継がせたという物語から名付けたという。亭中に入ると視界が急に広がって、湖堤や緑木、青々とした遠山が目を楽しませ、心を癒してくれる。

接近・彭祖神話/彭祖園

雲龍湖景勝地から遠くない所に、彭祖園がある。伝説によると、太古時代に、彭祖園は彭祖が大彭氏国の選民を率いて生息する宝地であったという。彭祖園に入ると、素晴らしい秋の景色を眺められるのみならず、彭祖長寿の謎を解くこともできるかもしれないよ。

青い山に囲まれる不老潭の潭水が清らかで澄んでいる。昔に、この辺りで養生する彭祖は、潭水を飲み、そして潭水を使って雉羹を作ったり、薬草を煎じたりしたから、800年の寿命を得たという話もある。不老潭の水上平台に立って鏡のような潭水を見ると、また別の趣を感じる。彭祖像を仰ぎ見るとか、彭祖祠を見物するとか、大彭閣に驚嘆するとか、園内で色んな観光スポットから徐州の深い彭祖文化を感じ取られる。

景色を眺め、幽玄な名所を探し、遺跡を探索する…なんか、この秋は沢山のいいことが期待できるような気がするね。それに、これらが徐州雲龍湖景勝地で一度で全部体験できる。「徐州雲龍湖、私はきたよ」と一緒に大声で言い出そうじゃないか。