夏――わざわざ山や海へ出かけなくても、心地よいひとときはここ丹徒に。あなたのために、特別な“サイクリングとの出会い”を用意した。さあ、夏のまばゆい光の中へ。カラカラと響く車輪の音が、街の喧騒を遠くへ連れ去り――丹徒から、田園の牧歌風景へと走り出そう。
夏の秘境を探して——世業洲へ
江沿いの堤防を自転車で走れば、ほどなくして長江に浮かぶ小さな島――世業洲(せいぎょうしゅう)にたどり着く。川にぐるりと囲まれたこの島は、どこか特別な静けさをたたえてる。夏の世業洲は、緑があふれ、ざくろの花が少しずつ咲きはじめ、赤と緑が鮮やかに彩りを添える。その風景の中を走れば、まるでモネの絵画の中に迷い込んだかのような気分になる。
夏の秘境を訪ねて——十里長山へ
朝の露がまだ木の枝先にきらめき、樹脂や土の匂いが、ひんやりとした空気に溶け込み鼻先をかすめる。草木の香りと清らかな山風を追いながら、私たちはゆっくりと山の上へ――。
一筋の陽光が雲間から差し込み、山全体をやさしく照らす。素朴で自然、そして清らかで優雅な風景が、そこに広がっている。
夏の秘境を訪ねて——谷陽湖へ
朝霧がゆるやかに晴れゆくころ、山の気配と湖の光が静かに溶け合う。白鷺が水面をかすめ、鏡のような映り込みをまるで流れる翡翠のように切り取っていく。堤防を走り抜けるサイクリストの背に、草のささやきがそっと揺れ、散歩する人の足元には木洩れ日が砕け、その笑い声は湖の中心にそっと縫い込まれる。やがて、暮色が遠くの山々を染め上げ、谷陽湖は星と月を映す琉璃の盃となり、日々の喧騒を、やさしい光へと静かに濾していく。
夏の秘境を訪ねて——江心洲へ
ここは、長江が差し出したひとつの島――半ばは碧き波に身をゆだね、半ばは霞む山影に寄り添う。緑道は絹の帯のようにゆるやかに延び、江の堤と葦の原をやさしくつないでゆく。岸辺では草の色と波のしぶきがそっと語らい、タイヤの下に風が生まれ、空と川が舞台を成す。道が曲がるたび、波とのアンサンブルが始まり、岸辺の自転車は斜めに立てかけられ、船の影が水面の光をそっと切り裂いていく。江心洲の夜――それは潮の音を枕に綴られる、島に暮らす人の静かなノートである。
夏の気配が次第に深まり、丹徒はまるで一幅の水墨画のようにゆっくりと広がっていく。花の香りが野に漂い、蝉の声が緑に重なり、きらめく水面の奥には、江南ならではの詩情あふれる涼やかな誘いが隠れている。さあ、この山水の鮮やかな一筆を、あなたと共に描いてみませんか。足取りはそよ風に酔い、心は流れる蛍の光に導かれて、夏の星空へととけてゆく――。