泰州のんびり旅行でスローな一日を楽しむ

スローとは態度であり、生活とは修行である。ここでは街を流れる水が喧騒を洗い流し、いくばくかの清風が生活をゆったりと楽しませてくれる。行程通りに旅をこなそうと焦らないように、いろいろな観光地巡りが旅の目的化してしまわないように、歩調を緩め、現地の生活に真に溶け込み、静かで気ままなゆとりある一日を楽しむ。それが泰州の幸福にアクセスするパスワードなのだ。

美しい一日は老街の早茶から始まる

「泰州スローライフの一日」の出発点は老街だ。歴史あるこの老街は、数多くのグルメに満ちた老街でもある。長さは600メートルあまり、青レンガと黛瓦の建築が並ぶ通りには老舗や古い店も多く、濃厚な活気が沈殿している。

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美味しい香りを辿って歩き、これぞという早茶店を選んで腰を下ろしたら、早茶(ザオチャ)をいただこう。柔らかくみずみずしい口当たりが心地よい燙干絲、スープの旨み濃厚な魚湯麺、ふっくらと柔らかい蟹黄包、それが泰州人なら必ず注文する「早茶三宝」であり、食客たちの活力満点の一日をスタートするには十分だ。伝統的な「早茶三宝」のほかにも、蟹黄湯包、草炉焼餅、脆長魚、宣堡小餛飩、麻球、油条、蝦仁蒸餃、糯米焼売、千層油糕などがある。

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ここで食するのが早茶なら、味わうのは生活である。泰州老街の多くの早茶店では特色ある出し物が昔と変わることなく残されている。美味しい早茶を口にしながら、独特の情緒ある海陵古楽や思わず引き込まれる評書の語りを鑑賞して、時間をゆっくりと潰していく、それが早茶店の多くの常連たちの日常である。そうして午前をまるまる過ごすこともよくあることなのだ。

喬園の秘密の空間に幽玄を尋ね、中国園林の妙を感じる

午後は泰州の市井の賑わい奥深くに隠れた喬園に行ってみよう。この園林は面積こそ大きくはないが、そのレイアウトは小ぶりながら緻密で無駄がなく、歴史も悠久だ。何度かの改名を経て、またいくどかの盛衰を繰り返し、400年あまりの時代の激動を経てきた喬園は現在、泰州では比較的完全な状態で保存されている私家園林である。

喬園は山響草堂を中心として、池や仮山を主景とした南部分、庭園を設けた北部分からなる。山響草堂、因巣亭、蕉雨軒、松吹閣、花神閣などの建築物が互いに引き立て合う間を草花や松竹が飾り、空間的にはっきりと分かれている。小道を歩いたり東屋に静かに腰を下ろしたりしてさまざまな角度から喬園を眺めれば、中国園林の細部の妙に気づくことだろう。

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また、喬園には匠の心がこれ以上なく発揮された「福」の字がある。この福の字には一筆も用いられていない。中国の民間における伝統的15の縁起物を組み合わせて描かれているのだ。そこには「ゆとりがある幸福円満な暮らしを祝い、健康長寿、平安無事を祈る」という寓意が込められている。喬園に来たならぜひこの福の字を触ってみて、その運気をポケットに入れて帰ろう。

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月光を浴びながら画舫で巡る鳳城河ナイトクルーズ

最後は鳳城河に行って「泰州スローライフの一日」を締めくくる見事な終止符としよう。泰州の人々を代々育んできたこの水は、今を遡ること1000年の歴史を擁する、「中国でもっとも美しい古堀」と称されるお掘りである。街を水が囲み、水を街が囲む、そんな泰州の街並みはこの鳳城河なしにはありえない。ここでは望海楼、そして桃園が河を隔てて向かい合い、両岸には30あまりのスポットがあちらこちらに分布して、水上の歴史文化長廊を作り上げている。

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夏の夜、涼しい風に吹かれるのは非常に心地よいものだ。夜の帳が降り、火点し頃になったら、水面に浮かぶ月影揺らめくなか、画舫に乗ってクルーズに出よう。船が水をゆくと、まるで絵のなかに入り込んでしまったかのようだ。美しい月光のもと、涼しげな夜のなか、ただ両岸の景色にうっとりするだけで、この千年の歴史ある街の姿と魅力を感じることができるだろう。

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街と水が引き立て合い、鮮やかな光が流れていく。レトロな市をぶらぶらすれば、だれでも参加自由の「のど自慢」や昔懐かしいフラッシュゲーム、懐メロ専門コンサート、野外映画など優れた内容の催し物に出会うことも可能だ。このように鳳城河は古朴さと現代感が見事に結びついた、人文と水の風景が織り成す美しい景勝地なのだ。

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