淮安、素朴な農村の濃密な春


淮安は江蘇省の中北部にある、水に浮かんだ水上都市である。京杭大運河と里運河が街を通り抜け、洪澤湖と天泉湖の2つの湖と、非常に水に恵まれた自然環境に恵まれている。淮安の美しい自然、春があなたの全身の細胞を呼び起こしてくれる。

老子山

老子山は中国道教に関連する名山の一つで、春秋時代に老子が不老長生の丸薬を作っていたとして有名である。明るく美しい湖と山を持つ老子山は江蘇百名鎮に選ばれている。南北交通の要所であった為、中国の唐宋時代に、商人達が雲のように集まりだし、文化が大きく発展し、現在でも残る多くの歴史遺跡がある。

老子山の南にある亀山村、上から見ると亀のような形をしたこの村落は明清時代を色濃く残している。平ない石壁の家のどの玄関も綺麗な花に囲まれ、沢山の種類の草花、そして青々とした藤蔓が壁と竹垣根に絡まっている。貴重な昔ながらの姿をリアルに残した亀山村は2014年中国伝統村落として選ばれている。

洪澤湖古代堰景区

全長70.4kmの洪澤湖古堰は1800年以上の歴史を持つ非常に大きな土木事業によって作られた名所で「水上の万里の長城」とも呼ばれている。2014年に世界文化遺産に登録された。

初春の朝、水釜城は薄い霧に囲まれる。徒歩か自転車で洪澤湖の堤防へ散歩に出かけてみよう。 堤防はくねくねと曲がるので、様々な角度から風景を楽しめる。少しまだ暗い中、柳の花が明るく目に入る。そして夕暮れに洪澤湖は一日の中で最も美しい時間を迎える。静かな湖面一面が夕焼けを反射し薔薇のような色に染まる。水と空が一色に溶け合い、静かな夕焼けの美を感じることが出来る。

鉄山寺国家森林公園

淮安市の盱眙に位置する鉄山寺国家森林公園は、江蘇省で最も完璧な森林公園である。動植物の天国で、40種の野生動物、170種の鳥類、280種の高等植物、800種の薬草が生息した、天然の動植物遺伝子保存施設となっている。

登山を楽しむ事も可能で、広い竹林にはシダや漢方薬の当帰、霊芝等の様々な植物を見ることが出来る。 山頂には鉄山寺と呼ばれる、東漢末期に漢民族として最初に出家した厳仏僧侶によって建てられた寺院がある。また南坂から山を降りると途中に中国最大規模の孔雀飼育施設に立ち寄る事も可能で、沢山の美しい尾を広げた孔雀を見ることが出来る。

天泉湖

鉄山寺国家森林公園の中にある天泉湖は江蘇省北部最大の湖で「水上の森」と言われている。

1990年代からメタセコイアの栽培が始まり、その枝や葉が水に浮かぶ森のように見える。

春夏は青々と、秋冬には次第に暗い赤へと変わっていく、1年中それぞれ違った絶景を見ること出来る。 どの季節でも最も美しい時間は明け方で、白い霧に覆われた湖面に仙境のようにぼんやりと浮かび上がるメタセコイアの森は詩情豊かである。

淮安の春は、自然の素朴な本来の姿を見ることが出来る。 小川が民家の周りのサラサラと流れ、静かなで簡素な庭があり、こんな場所でお茶を飲みながら田舎の春にゆったりと浸かってみよう。