宿遷の文化の探し旅

清王朝の乾隆皇帝は江南を6回訪れ、宿遷に5回滞在し「天下一品の山河の春」に感嘆し、その都市に美名を与えた。宿遷は南北に黄河と長江の2つの水源を持つ非常に重要な地理的特徴を持つ。覇王項王の故里としても有名である。

日本での人気の高い西楚覇王の項羽は、宿遷の梧桐巷で生まれ、長い月日の中で、現在ではこのあたりは大きな街となっている。 項府、項園、将署、項羽故居、項家宗祠、覇王古今館、虞家老宅.....項羽の出生から幼年期、そして虞姫との恋愛まで、すべてがこの場所にーーー物語と出会う。

中国北部の建築物は壮大な雰囲気の物が多く、反対に南部建築は優雅で繊細な物が多い。 項王故里は宮廷と園林建築が巧みに融合しており、徹底して漢楚の風格を表現している。 建築物は冷たく人間に距離感を与える感じではなく、景区毎に様々な演出が準備されている。 開門の歓迎展から始まり、伝統衣装を着た情熱的な役者が酒壺、酒盃を持ち歓迎の儀式で旅行者を迎えてくれる。

虞家铺子の前では、賑やかな西楚の市が再現されており、時間を超えて当時の人々の日常生活を体感できる演出がある。項府では楚式の結婚式が再現した催しがあり、楚国の伝統文化一杯の興味深いイベントとなっている。 また項府劇場では鴻門演技が行われ、劉邦と項羽の激しい戦いの物語が舞台で繰り広げられ、楚風の美しい伝統衣装が優雅に舞い踊る。

項王故里では、千年の時を経ても尚、歴史の風骨は西楚建築に刻まれており、西楚覇王の声が少しずつ聞こえてくるようである。