ほのかな香りが漂う鎮江梅の鑑賞地図

梅は蘭、竹、菊とともに「四君子」に数えられ、松、竹とともに「歳寒三友」と称される。中国の伝統文化では、極寒のなか独自に咲く梅の花は、高潔、強靭、謙虚な品性を代表するため、人々から褒められている。漂っているほのかな香りをたどって、鎮江で冬の最も美しい景色を探そう。

梅の花は春の桃の花ほど優しくなく、真夏の蓮の花ほど明るくなく、秋の木犀の香りが鼻を突くようでもない。しかし、身を切るように冷たい風の中に傲然と立ち、ほのかな香りを漂わせて、冬に鑑賞するのに最適な花は、まさしくこの梅の花である。

 

宝塔山公園

鎮江市内から東に5キロ離れたところ、古運河風光帯に属する宝塔山公園はロウバイに包まれている。千本近くの梅の木は主に梅園に植えられているが、半分近くは真冬に咲く黄色いロウバイで、残りの赤、ピンク、緑がかった白い梅の花は春先の香りをリードしている。「花稀有風骨、半開最雅韻(花が少ない場合、風格があり、半開の時は最も雅趣がある)」と昔の人々はよく言った。力強くぬきんでている幹と枝が空中に伸び、枝に群がったつぼみを膨らませている。梅観賞の意義はここにある。

宝塔山公園には「中日友誼梅桜園」というもう一つの名前がある。公園が造られたのは、1983年に鎮江が日本津市と友好都市を結んだことに因む。それから、宝塔山公園は鎮江市外事活動のテーマ公園にもなっている。そのため、梅の花がほのかな香りを漂わせる冬から、梅の花が満開する初春へ、さらにロマンチックなピンク色の桜シーズンまで、宝塔山公園は長い間活気に溢れたところとなっている。梅の花を楽しんだ後、「桜花小築」へ行って中国と日本のスタイルを融合させた庭園の趣きを会得し、僧伽塔に登って文物を鑑賞して、遠くないところにある大運河と南山の風景を楽しむのも忘れないでください。

 

南山招隠寺梅嶺

鎮江は、町が山にあり、山が町にあることから、「城市山林」の美称がある。この名は、最初、宝塔山公園からわずか4キロに離れた南山に由来し、北宋時代の有名な書画家米芾が南山を讃えたものである。彼は、息子と一緒に鎮江に40年も隠遁していたが、南山は彼に深く好まれていた。南山には、招隠景勝地、竹林景勝地、黄鶴景勝地、九華山景勝地の計四つの景勝地があり、招隠寺の後ろの梅嶺は、南山で梅を観賞する主要な場所の一つである。この辺りは春梅もロウバイもあり、合計で約150本ある。梅嶺には、「千年梅樁」というもう一つの見どころがあり、古い梅の木の切り株は、直径40センチ余り、高さ90センチで、暖かくなれば、その木の清雅さは、多くの観光客を酔わせるであろう。

 

三山の風景

南山から北へ進んで、長江の畔まで着くと、鎮江のランドマーク的な風景である「三山」、即ち金山、焦山、北固山に出会うことができる。いずれも梅を特色としているわけではないが、梅の花は庭園の造景でかけがえのない役割を果たしているため、三山に登る際は、梅の花の姿も見逃さないでください。

金山公園では、川沿いの芝生に数十本のロウバイが点在し、流れる長江水に彩りを添えている。御埠頭に向かって歩いていくと、道沿いにロウバイが香りを漂わせてくる。さらに百花洲、芙蓉楼エリアもある。焦山の梅の花はほとんど盆景園にあり、碑林の中で梅の花の香りを伴って、書道を鑑賞するのも楽しいことだと言えよう。北固山の梅の花は、頂上まで登らないと、見られない。北固楼で手すりに凭れて眺めてみると、群がった梅の花は壁の隅や道端にあり、薄い黄色をしていて、濃厚でありながら静かであって、ちょうど「窓幾数枝逾静好、園林一雪倍清新(窓際の数本の梅が静かに咲いて、庭園に雪が降った後、清新さが一倍になる)」の境地に合っている。

花である限り、開花期がある。鎮江の梅の花は、もちろんこれだけではない。おそらく、キャンパスや道端やある公園などのどこかで歩いていると、盛大に満開する梅の花に出会うかもしれない。