この春節はどう過ごす? 江蘇を訪れて伝統的な中国正月と出会おう!

中国人にとって年に一度の団欒の盛典、春節。人々はそれぞれの地域によって異なる新年の迎え方を持っていて、各地の人々の春節への儀式感は中国の濃厚な春節の雰囲気を作り出している。さて、もうすぐ春節がやってくる。江蘇にはどのような春節行事があるのか、以下で一緒に見てみよう。

南京・秦淮灯会

「秦淮灯彩甲天下」(秦淮の灯の彩りは天下一)と言うように、もし南京を訪れたなら南京のいちばん伝統的な迎春民俗――秦淮河灯会を見逃すわけにはいかない。孔子廟秦淮灯会は南朝時代に始まった。中国で最も長く続いてきた、最大の参列者数・規模を誇る民間灯会だ。灯会ではランタンを売る市が瞻園路から数百メートルにわたって続く。露店や屋台が一つ一つ順に並び、ランタンを見る人々でごった返し、街全体に温かさと穏やかさを添えている。

灯会のランタンはすべてその年の干支で統一されている。今年の孔子廟大成殿では可愛らしいウサギが大きな干支の守護神に姿を変える。また、老門東景区内では中国風やマンガテイスト、SF風など、通りに沿って30あまりのテーマによるウサギの飾り付けが施されている。ランタンを掲げた人々の間を行き来しながら、きらきらと光を反射する秦淮河に映る河畔の建築群や水面で生き生きと揺れるランタンを眺めよう。川沿いの人々の笑い声や歓声、あるいは大きな銅鑼や太鼓の音でにぎわう民俗模様に耳を傾けるのもいいだろう。ほかにも、通りに沿って歩き、熱々の南京の味を試してみよう。正真正銘の金陵の新年の雰囲気があなたの心の内に留まり続けること間違いなしだ。

無錫・恵山古鎮

 呉文化の民俗や風情について知りたいなら、無錫の恵山古鎮に行ってぶらぶらしてみるのがおすすめだ。春節期間の恵山古鎮はいたるところにランタンや装飾が施されていて、めでたさ満ち溢れ、たいへん賑わっている。ここの庶民の間では、おめでたい祝祭日のたびに醒獅(獅子舞の一種)が興を添える。恵山古鎮は醒獅のパフォーマンスを売り出しており、その猛々しい造形と、激しく昂る太鼓つきの音楽、そして紅花を戴いた雄の獅子が高々と聳える杭から空中へと跳躍する様子は雄々しく猛々しく、一見の価値が大いにある。

古い町並みの石畳を逍遥すると、龍踊りや鳳凰の舞い、漁翁戯蚌(漁師とハマグリの踊り)、旱地揺船など、特色ある民俗パフォーマンスをする人々が隊列を組んで見世物をしている。銅鑼と太鼓に合わせて素晴らしい見せ場が次々と目に飛び込んでくる。また、万巻楼や恵山書局など茶香駅站(お茶の体験ステーション)に行って中国の貴重な文化資源――茶百劇(中国古代のラテアート)を体験し、宋代茶文化の造形の奥深さを味わうのもいいだろう。ほかにも、恵山古鎮を訪れたなら老式豆腐花、恵山油酥餅、鶏湯銀絲麺、開洋小餛飩などの当地の代表的な食べ物をお忘れなく。恵山の味わいはいつまでもあなたの中に残り続けるはずだ。

常州・東方塩湖城

騒がしい俗世を離れて、常州に潜む世外の桃源――東方塩湖城で山水を満喫しながら、爽やか気ままに中国の正月を過ごそう。古色蒼然とした町の大通りに足を踏み入れると、時代を感じる服装に身を包んだ商人たちが通りに沿って露店を出して呼び売りをしている。目を満たす美しい風景――昔の時代の子どもの玩具、さまざまな庶民的小吃、仙境の響きに満ちた古風なパフォーマンスが、あなたを一瞬で中国古代の民間市場に連れ去ってしまうことだろう。古人たちだけが味わった正月の味わいがきっと感じられるはずだ。

春節の期間中、東方塩湖城・道天下では山鎮灯会も開催される。絶妙に溶け合った音・光・影のなかを歩けば、喜泉閣、桃花林、天師台などなど、一歩ごとに一景に出会う。それはまるで夢か幻のようだ。きらきらと光る珠のように美しいランタンが白く明るい月に寄り添い、まるで光と影の森に入り込んだかのような気分になり、この世の神秘的な幻影を没入しながら味わうことができる。また、山鎮はスカイランタンを飛ばして福を祈り、過ぎた一年に花火で別れを告げる伝統行事が残されている。古い色合いのランタンを掲げ、夜の帳が下りた湖畔で色とりどりの花火を眺め、新しい一年の福を祈る。これは中国人の新年のロマンなのだ。